復興へ テレトラック釜石再開

[ 2014年11月7日 05:30 ]

今秋復活した釜石場外で競馬を楽しむファン

 【地方競馬です!!】「がんばろう」と書かれた看板や津波の到達地点を示す標識を横目に、釜石駅から車を運転すること15分。岩手県釜石市にある岩手競馬の場外発売所「テレトラック釜石」を、JBC前日の2日に訪れた。両石湾と釜石湾に挟まれた川沿いにあるが海は見えない。ここを津波が襲ったとは…。やはり想像を超えるものだったのだろう。330台分ある駐車場は7割ほど埋まっていて、それほど大きくない平屋の建物内は思った以上ににぎわっていた。

 テレトラック釜石は11年東日本大震災の津波被害が大きく、一度は復旧を断念したが今年10月4日、公募で選ばれた民間会社の運営で再開された。それから約1カ月。釜石市内から毎週来ているという65歳の男性は「きれいになったけど昔は2階建てだったから少し狭いね。でも、再開されて楽しみは増えたよ」と笑った。

 レースを見ながら、顔見知りのファン同士が馬券話に花を咲かせる。どこの場外発売所でも見られる普通の光景だが、入り口の目の前にうずたかく土が積まれるなど、復興途上の風景があちこちに広がっていた。日常と非日常が隣り合わせる中、3年7カ月を経てよみがえったテレトラック釜石。「あすのJBCの馬券?もちろん買ったよ!」というおじさんの元気な声にホッと心がほぐれた気がした。 (秋田 麻由子)

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2014年11月7日のニュース