【菊花賞】ミヤビジャスパー“隠れステップ”野分特別から戴冠だ

[ 2014年10月22日 05:30 ]

野分特別を制し、菊花賞Vへの期待が高まっているミヤビジャスパー

 関西勢では過去に2頭の菊花賞馬を出した野分特別の勝ち馬、ミヤビジャスパーが魅惑の惑星として浮上した。

 知る人ぞ知る“菊花賞の隠れステップレース”が野分特別だ。1000万の条件特別と侮るなかれ、過去の勝ち馬には後の活躍馬がズラリ。02年にはヒシミラクルが神戸新聞杯6着を挟んで菊花賞V。09年にはスリーロールスがここと菊花賞を連勝して、一気にスターダムにのし上がった。今年の覇者はミヤビジャスパー。前記2頭同様、現時点では伏兵扱いだが侮るなかれ。

 騎手時代にメジロパーマーで宝塚記念や有馬記念を制した山田泰誠助手は「前走を勝ったことで、余裕を持ったローテーションで挑むことができましたね。乗り込みは十分ですし、春とは状態が違いますよ」と手応えを隠さない。

 2歳時から大いに期待されていた。未勝利を勝った直後に挑んだラジオNIKKEI杯2歳Sでは、ワンアンドオンリーから0秒3差、タガノグランパやマイネルフロストには先着しての4着と健闘。しかし出走予定だった毎日杯の前に熱発したことでリズムを崩した。「無理してたし、絶好調じゃなかった」と明かす京都新聞杯でも0秒3差の5着まで差し込めたのは、地力の高さが成せる業だ。

 もちろん距離は未知数。ハクサンムーンやレオアクティブなど、短距離が主戦場のアドマイヤムーン産駒だけに不安が先立つ。だが山田助手は「距離はやってみないと分からないけど、背中の感じは長いところ向きなんです。折り合いも調教では心配ありません」とミヤビジャスパーに長距離適性を感じとっている。

 スピードとスタミナの両面を要求されると言われる阪神芝9F。そんな厳しい条件で古馬相手に勝った経験は、大一番できっと生きてくる。春に涙をのんだ未完の大器が、菊の大輪を咲かせてみせる。

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2014年10月22日のニュース