【前橋・オールスター】武田、奮起の復活V「仲間の思いに応えたい」

[ 2014年9月16日 05:30 ]

優勝し、ガッツポーズする武田

 武田が復活V――。G1「第57回オールスター競輪」の決勝戦は15日、前橋競輪場で行われた。レースは井上昌己の逃げを武田豊樹が最終2角3番手からまくって優勝、賞金4410万円(副賞含む)を獲得した。武田のG1優勝は12年12月の競輪祭以来5回目、オールスター優勝は09年9月の松山以来2回目。2着は神山雄一郎で2車単(2)―(4)660円(1番人気)の決着だった。

 武田の5回目のG1制覇はさまざまな思いの中でも、「走れる喜び」と「責任感」を痛感させた優勝劇だった。13年7月の高知記念で「追走義務違反」の失格を犯して昨年12月まで斡旋停止。また同12月の「選手会脱会問題」で今年5月から自粛休場。その後、処分が3カ月間に軽減されて8月の松戸サマーナイトFから実戦復帰。「走れない理由は自分の責任」ながらも、レースに参加できない期間は2回で約8カ月間に及んだ。

 また「関東の後輩、仲間の思いに応えたい」の強い気持ちも武田を奮い立たせた。初戦の12日の特選で前を任せた芦沢大輔と牛山貴広が「先頭員早期追い抜き」で失格。13日の二次予選では「ドリームに選出された池田(勇人)君が僕を意識して走ってくれた」。そして決勝戦は「いつも連係している平原君と別線で走るのは心苦しかった…」と振り返った。

 「メンタルが大変だったけど自分の力を信じた」。G1決勝戦の舞台に臨んだ武田は最終2コーナーからまくり、尊敬する神山雄一郎と上位独占を決めた。「神山さんとワンツーで人気に応えることができて良かった」。勝った喜びよりも、人気に応えたことでホッとした表情を見せていた。

 表彰インタビューでも「自分の責任で(ファンの)皆さまに迷惑を掛けて申し訳ないです。これからも一生懸命走ります」。詰めかけたファンに対しても優勝の喜びに浮かれることなく、第一人者としての責任感を感じさせた。

 2年ぶりのG1優勝は取得賞金10億円達成(通算23人目)の記録を添えたが、武田の「一戦一戦頑張るだけ」の姿勢は変わらない。

 ◆武田 豊樹(たけだ・とよき)1974年(昭49)1月9日、北海道斜里町生まれの40歳。私立釧路緑ケ岡高卒。03年7月プロデビュー。通算成績は832戦336勝。通算取得賞金は10億1354万円。主なビッグ優勝は09年日本選手権、09、14年オールスター、12年高松宮記念杯、12年競輪祭。ソルトレークシティー五輪(02年)スピードスケート500メートル8位。1メートル77、90キロ。血液型O。

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