【セントライト記念】イスラボニータ完成の域“3歳ナンバー1”始動

[ 2014年9月16日 05:30 ]

さらなる飛躍を期してセントライト記念で始動するイスラボニータ

 今週は東西で牡牝3歳限定G1のトライアルが行われる。新潟では菊花賞TRの「第68回セントライト記念」。2冠をかけたダービーで2着に敗れたイスラボニータが秋の飛躍を誓っての始動戦を迎えた。ここまで約1カ月、美浦トレセンで入念な乗り込み。G1馬の威厳を見せつけるつもりだ。

【セントライト記念】

 皐月賞馬イスラボニータがさらなる飛躍を期し始動する。昨年6月の東京新馬戦でデビューV後は、7戦全連対の超堅実派。春1冠目の皐月賞は、堂々の立ち回りで完勝。続くダービーは1番人気。2冠奪取は目前だったが、ゴール寸前でワンアンドオンリーに屈し、無念の銀メダル。それでも底力は示した。

 夏は宮城・山元トレセンで充電し、8月13日に美浦帰厩。丹念に順調に調教をこなした。管理する栗田博師は目を細める。「どこというより、全体的に幅が出た。数字以上に中身が充実してきた感じ。遅生まれ(5月21日)の分、成長しているんでしょう。筋肉の繊維の量が増え、水っぽさがなくなった。精神的にもしっかりしてきた」。

 指揮官の言葉通り、春から目立っていた馬体は黒光りし、凄みを増した。筋骨隆々で完成の域。主戦・蛯名を背にした10日の1週前追いは、Wコース&3頭併せで5F65秒9~1F12秒4。鞍上は「順調にいい形で始動戦を迎えられそうだ。手応えは良かったし、いい休みが取れたんじゃないかな。やっと、この季節が来たなあ」と秋のG1戦線を心待ちにしている。

 ダービーはワンアンドオンリーに3/4馬身差で敗れたが、3歳No・1の陣営の思いは変わらない。枠の差、人気ゆえの立場の違いが明暗を分けた2冠目。蛯名は「ダービーは展開とかいろんな要素が重なり、あの着順。実力で負けたと思っていない。馬にも、いろんなことを乗り越えた財産もある。そういう意味でも、秋に期待するものは大きい」と胸を躍らせている。

 今後の路線はセントライト記念の結果次第。皐月賞2着トゥザワールド、ダービー3着マイネルフロストなど好メンバーが集結したが、G1馬の威厳にかけても譲れない。師は「順調にメニューをこなせるのがこの馬の一番の強み。まずは同世代同士で、無難なレース選択だと思う。秋も頑張ってほしい」と愛馬に全幅の信頼を寄せた。新潟は昨年8月の新潟2歳S(2着)以来、約1年ぶり。たくましく成長した姿を、越後のファンに見せてくれるはずだ。

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2014年9月16日のニュース