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本間忍師 忘れられぬマルゼンスキー極上の背中

[ 2014年6月20日 05:30 ]

本間忍師

 厩舎の応接室に設置された神棚の横に、一枚の古いモノクロ写真が大切に飾られている。本間忍師(56)と伝説の名馬との貴重なツーショット。19歳の新人騎手だった師が、8戦無敗で“スーパーカー”の異名を取ったマルゼンスキーの馬上で胸を張っている。

 レースで乗ることはなかったが、同馬を管理した本郷重彦厩舎の所属だったため、2歳時に3カ月ほど調教をつけていた。「15~15(1F15秒のキャンター)の予定が13秒になってしまい、先生に怒られたもの。手前を替えたのが分からないほど走りが滑らかで、スピードに乗ると体がグッと沈む。あんな馬は他に乗ったことがない」。名馬の背中で味わった極上の感触は今も忘れられないという。

 21年間の騎手生活を経て調教師に転身。きっかけは偉大な先輩騎手・岡部幸雄氏の助言だった。「“そういう道もあるぞ”と言われて考えた。あの言葉がなければ調教師になっていない」。02年の開業から13年目を迎えた今年、初めて井上敏樹騎手(19)という新人を預かった。「今はいろいろなことを身に付ける時期。まずは迷惑を掛けない騎乗を…と教えている」。自分は多くの馬や人に支えられて今がある。今後の競馬のために「馬だけではなく人も育てなければいけない」。師の思いは熱い。

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