水野師 ライスシャワー級の大物で騎手時代の忘れ物取り戻す

[ 2014年5月16日 05:30 ]

水野貴広師

 騎手から転身した調教師は多く、水野貴広師(41)もその一人。06年の厩舎開業から9年目を迎えた今も、騎手デビューした91年に味わった悔しい思い出が忘れられないという。

 この年、所属の飯塚厩舎に入厩してきたのが的場均騎手(現調教師)とのコンビで92年菊花賞などG1を3勝したライスシャワー。「乗ってみたら、デビュー前なのに古馬のような雰囲気。これは(兄弟子の)的場さんには絶対に乗せない!!と思い、毎日自分が乗った」。新馬戦を期待通りの走りで快勝。ところが、2戦目の新潟3歳(現2歳)Sの2週前に無念の騎乗停止となってしまった。菅原泰夫騎手(現調教師)に乗り代わったレースは出遅れて11着だったが、水野師は「勝てると思っていたので痛恨だった」と振り返る。

 結局、15年の騎手生活で重賞を勝つことはできず、限界を感じて引退を決断。調教師になり、開業5年目の10年に“因縁”の新潟2歳S(マイネイサベル)で重賞初Vを達成した。今後の目標は「成績が下がらないようにすることが一番。でも、やっぱりG1は勝ちたい」。地道にコツコツと実績を積み上げ、いつかはライスシャワー級の大物を…。騎手時代の忘れ物を取り戻す日は、きっと来るはずだ。

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2014年5月16日のニュース