最年少33歳・武井師 人馬のやる気起こす厩舎を

[ 2014年4月25日 05:30 ]

武井亮師

 今年3月に厩舎を開業した武井亮師は33歳。開業しているJRA調教師では黒岩師と並んで最年少だ。10人のスタッフのうち9人が年上。やりづらさはない?そんな質問に即答した。「全くないです。僕の考えも聞いてくれるし、逆に前向きな提案もしてくれる。年下の僕を立ててくれるんです」。さらにこう続けた。「なりたくてなった職業。楽しくて仕方ない」

 競馬には縁遠い山梨県の出身だが、中学時代に競馬に魅せられた。「長い距離を走って鼻差の勝負をする。凄い世界だと思った」。駿台甲府高を卒業後「馬なら北海道という短絡的な理由」で北大に進学。獣医の勉強をしながら馬術部でも活躍した。「馬術では馬を信頼する、馬の邪魔をしないということを学んだ。人間がやらせるのでなく、馬がやる気になる環境をつくることが大切」と語る。

 厩舎の目標はもちろん「成績を上げること。それがお世話になっている方々への恩返し」。並行してもう一つ目標がある。「馬もスタッフも、能力を最大限に発揮できる環境をつくりたい。厩舎を競馬に興味がない人が見ても魅力的な会社組織として機能させたい」。ホースマン魂の中に宿る起業家としての側面。転換期を迎えた競馬界で、若きトレーナーは新たな厩舎経営のあり方を模索する。

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2014年4月25日のニュース