エルコンドルパサーがついに殿堂入り 凱旋門賞2着の革命児

[ 2014年4月23日 05:30 ]

98年のジャパンCを制したエルコンドルパサー

 競馬の殿堂入りにあたる14年度顕彰馬、顕彰者が22日、JRAから発表され顕彰馬にエルコンドルパサーが選出された。

 欧州への扉を開いた日本競馬界の革命児が、ようやく殿堂入りを果たした。エルコンドルパサーは有効投票数195票の80%にあたる156票を獲得。投票制度が始まった01年以降、毎年のように得票上位に名を連ねながら、なかなか突破できなかった「4分の3」の壁をクリアした。

 97年デビュー。98年にNHKマイルC、ジャパンCとG1・2勝を挙げ、99年には海を渡ってフランスに長期滞在。仏G1サンクルー大賞、G2フォワ賞を制して凱旋門賞に挑戦。当時の欧州最強馬モンジューの末脚に屈し2着に敗れたが、日本馬初の連対は現地でも高く評価された。

 日本ではG1・2勝。4歳時に国内での出走がないことなどから、顕彰馬選出には反対意見もあったが、最近の日本馬の海外での活躍は著しく、そのパイオニアとしての存在価値があらためて評価された。管理した二ノ宮師は「日本馬による凱旋門賞勝利が近づいているように思うが、エルコンドルパサーが扉を開ける一助となれたことに、我々が行ったことは無意味ではなかったことが証明された」とコメントした。

 残念ながら同馬は種牡馬3年目の02年に腸捻転で急死。所有した渡邊隆氏は「種牡馬としては3世代しか子を残すことができず残念だったが、顕彰馬として後世に名を残すことができて光栄に思う」と話した。

 ◆エルコンドルパサー 父キングマンボ 母サドラーズギャル(母の父サドラーズウェルズ) 牡 95年3月17日生まれ、02年死亡 美浦・二ノ宮厩舎所属 馬主・渡邊隆氏 生産者・米タカシ ワタナベ氏 戦績11戦8勝(うち海外4戦2勝) 総獲得賞金4億5300万800円。

 ▼顕彰選考基準 顕彰馬は有資格の競馬記者の投票で4分の3以上の得票馬が選出。選定対象馬は93年4月1日~13年3月31日に競走馬登録を抹消した馬で、現役馬と抹消1年以内の馬は対象外。

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2014年4月23日のニュース