【スプリングS】ロサギガンティア完勝!ミルコ「美しくて力強い」

[ 2014年3月24日 05:30 ]

快勝のロサギガンティアの鼻先にキスするM・デムーロ

 「第63回スプリングS」が23日、中山競馬場で行われた。3番人気ロサギガンティアが昨年の2歳王者アジアエクスプレスに1馬身1/4差をつけて完勝。重賞初制覇で春のクラシックへ名乗りを上げた。管理する藤沢和師は21日のフラワーCを制したバウンスシャッセとの2頭出しで皐月賞(4月20日、中山)に挑む。

【レース結果】

 ロサギガンティアと共に優勝馬の脱鞍所に引き揚げてきたM・デムーロが顔を紅潮させている。「凄い馬だよ。美しくて力強い。僕は次週で短期免許が切れるが、皐月賞もビッグチャンスだ!」。手のひらに残る手綱の感触をとびっきりの笑顔で口にした。

 クラシックの勢力図をまとめて塗り替えるV走だ。ゲートで1馬身の出遅れ。中団から差を詰めかけた4コーナーでは前方のリーゼントロックがふらついて外へ大きく振られた。皐月賞切符が懸かる最終トライアルで誤算が2つ。それでも、外から一瞬にして突き抜けた。

 「初めての中山で何をしたらいいのか分かっていない感じだった。出遅れたのもまだベビー(幼児)だから。でも、ただのベビーじゃないよ」。レースを振り返る同騎手とがっちり握手をかわした藤沢和師も本番に手応えをつかんだ。「あと200メートル延びても“俺は大丈夫だ”っていう走りをしていた。余裕があるし、瞬時に脚を使える。2歳の夏から馬が大きく変わってきた」

 ロサギガンティアとは、ラテン語で巨大な野バラの意味。わずか1カ月足らずの間につぼみから15センチもの大輪に育つのが特徴だ。「2歳夏の函館では巨体がヘナヘナに緩かったのに秋になったらまるで別の馬だよ。先生(藤沢和師)が替え玉を連れてきたんじゃないの(笑い)」。皐月賞で再びコンビを組む主戦・柴田善がこんなジョークを飛ばすほど馬名通りに一変。昨秋から4戦3勝でクラシックに名乗りを上げた。

 一流の種牡馬は晩年に自らの後継馬を残す…とは同師の血統論。ロサギガンティアは共同通信杯完勝のイスラボニータとともにフジキセキ産駒の最終世代にあたる。両馬を所有する社台レースホース・吉田照哉代表は「種牡馬を引退したフジキセキの2頭の子供が最後に花開いた。藤沢さんの馬はレースが終わった後も悠然としている。大したものだ」と絶賛した。

 「(牡馬の)クラシックに縁がない厩舎だよ」。自虐ネタを口にする藤沢和師にとってはダービーを含めて22回目(31頭目)の牡馬クラシック挑戦。念願の大輪を中山に咲かせる勝負の季節がやってくる。

 ◆ロサギガンティア 父フジキセキ 母ターフローズ(母の父ビッグシャッフル)牡3歳 美浦・藤沢和厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績5戦3勝 総獲得賞金7046万円。

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