【名古屋ダービー】村上義が連覇!ファンからの熱い声援に涙

[ 2014年3月24日 05:30 ]

村上義は仲間に胴上げされ笑顔を見せるが、5月からは1年の自粛休場となる

 村上義弘がダービー連覇――。G1「第67回日本選手権競輪」は23日、名古屋競輪11Rで決勝戦が争われ、稲垣裕之の逃げに乗った村上義弘(39=京都・73期)が番手まくりで優勝、賞金6000万円(副賞含む)を獲得した。村上義のダービー優勝は2年連続3回目、G1優勝は5回目。またダービー連覇は山田裕仁(02、03年)以来6人目。2着は武田豊樹、3着が深谷知広で力勝負の決着となった。

 東の横綱・武田を右に、次世代のエース・深谷を左に従え、表彰台のてっぺんに立った村上義にファンからの声援が鳴りやまない。「村上、辞めるなー!!」。輪界史に残る最高のレース後、なおも声援を送るファンたちの熱い気持ちに、村上義は涙を隠し切れなかった。

 昨年12月、現選手会を退会して新選手会を立ち上げようとしたSS11(イレブン)メンバーの中核に、村上義はいた。

 その後、退会撤回、謝罪する流れとなったが、その制裁として5月1日から1年間の自粛休場を勧告された。「今回の一連の行動でファンや関係者の皆さまに迷惑をかけてしまった。とにかく苦しかった。自分はいいレースをすることで返すしかなかった」

 決勝前日「おそらく最後の日本選手権になる」と語った村上義を稲垣、村上博、稲川はそれぞれの位置、走りで最大限にもり立て、村上義は2コーナー番手まくりで彼らの男気に応えてみせた。

 「稲垣もカカっていたけど、ホームで平原君が見えたのでちゅうちょなく踏ませてもらった。最終コーナーからは目を閉じたのか、あまり記憶がない。(ゴール後の)バックで博幸に“お兄ちゃん”と声をかけられて初めて(優勝と)分かった」。

 師匠である松本整は04年6月、高松宮記念杯の優勝直後に電撃引退。もしや村上義も?の疑念が漂う記者会見場では「4月の共同通信社杯(G2)まではしっかり走ります」と完全否定。ただ「大好きな競輪から1年間も離れることに耐えられる自信はない。その後のことは、家族も含めてじっくり考えたい」とも話した。

 次節は4月17日からの武雄記念。そして4月26日に開幕する共同通信社杯(伊東)が今年最後の勇姿となる。ただその後もファンはずっと待っているだろう。村上義弘の魂の走りを。

 ◆村上 義弘(むらかみ・よしひろ)1974年(昭49)7月6日生まれ。京都府出身の39歳、73期。主なG1以上のタイトルは02年全日本選抜、03年オールスター、12年KEIRINグランプリ。ダービーは11、13、14年でV3。1メートル70、76キロ。実弟は86期の博幸。

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