【フラワーC】クリスマス 華あるスピードで金曜開催のヒロインへ

[ 2014年3月19日 05:30 ]

切れ味上々のクリスマス(右)

 今週は金~日曜の変則3日間開催。金曜中山のメーン「第28回フラワーC」の追い切りが18日、美浦、栗東トレセンで行われ、函館2歳S勝ちのクリスマスが初コンビの田辺裕信(30)を背に美浦Wコースで6F85秒2~1F12秒6と上々の伸び脚を披露。課題の折り合い面もクリアし、初距離克服へのメドを立てた。19日は他3重賞の出走馬も続々と追い切られる。

【フラワーC】

 距離克服。フラワーCでのクリスマスのテーマは明快だ。初コンビの田辺は調教も初騎乗。「燃えてむきにならなければいい。いかにごまかして乗れるか」。ポイントを絞って感触を確かめた。

 Wコースでマイネエポナ(5歳1000万)を追走。序盤はやや行きたがるそぶりを見せたが、パートナーの後ろに入ると落ち着いた。直線は内から馬なりのまま楽にかわし去り、6F85秒2~1F12秒6。斎藤師は「いい切れだった。他馬を怖がる面があるので、きょうはジョッキーに乗って確認してもらった」と追い切りの意図を口にした。

 デビュー2連勝で見せた類いまれなスピードは、1800メートルではもろ刃の剣にもなりかねない。うまくなだめて力を温存できるか。田辺は「馬の後ろに入れてしまえば割と落ち着く。横に馬がいると燃えやすいけど、前にいたら引っ掛からずにいけそう」と性格をつかみ取った。

 前走・阪神JFの競馬もしっかり頭に入っている。それまでとは一転、出遅れて後方からの競馬となったが、直線はハープスターと並ぶ上がり3F33秒6の剛脚で4着まで追い上げた。マーブルカテドラル(5着)に騎乗していた田辺は「出遅れて後方でズブそうにしていたけど、それであれだけの脚を使ったのは思わぬ収穫だったのでは」と振り返る。スピードを瞬発力へと転換した前走に、今後の可能性を感じ取っているのだ。師も「前走のレースをすれば距離は持つし、上がりはハープスターと同じ。あの馬を食えるとしたら、ウチのぐらい」とその能力を信じている。

 今後の路線を決める重要な一戦でもある。オーナーサイドからは皐月賞挑戦の打診もあり、師は「ここで勝負をして次を考える」とコメント。今回の結果次第では桜花賞でなく皐月賞出走の可能性もある。全ては距離を克服できるかどうか。G1ジョッキー、田辺の手綱さばきが注目される。

 ▼火曜追い 近年では01年5月4日、02年5月3日に金曜開催が行われており、京都新聞杯、プリンシパルS組が火曜追いを行った。金曜競馬でないケースで火曜に追われたのは近年では3例。06年桜花賞出走馬キストゥヘヴンは美浦坂路で火曜に追って金曜に阪神へ。土曜にスクーリングを行ってVにつなげた。12年ダービーでエタンダール、同年エルムSでローマンレジェンドと藤原英厩舎も時折、火曜追いを仕掛ける。エタンダールは13番人気で8着、ローマンはVと成果は十分だった。

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2014年3月19日のニュース