【チューリップ賞】高知の真衣 クロスオーバーで桜切符獲りだ!

[ 2014年3月5日 05:30 ]

チューリップ賞に参戦する別府真衣は笑顔で答える

 桜花賞トライアルに女性ジョッキーが花を添える。今週のチューリップ賞に高知競馬からクロスオーバー(父サウスヴィグラス)が参戦。鞍上は別府真司調教師の次女・真衣(26)だ。JRA平地重賞への女性騎手騎乗は01年牧原由貴子(引退=七夕賞レイズスズラン16着)以来13年ぶり。地方女性騎手に限定すると99年山本泉(新潟=新潟3歳Sナッツベリー7着)以来、2人目の快挙。友人として長く別府を応援してきた井上オークスが胸の内に迫った。

【チューリップ賞】

 高知競馬の看板娘にビッグチャンスが舞い込んだ。別府真衣騎手がクロスオーバーでチューリップ賞参戦。デビュー9年目にして初のJRA遠征だ。

 「馬主さん(酒井孝敏氏)や厩舎のバックアップのおかげです。“ついに中央の芝で乗れる!”と、本当に楽しみにしています。馬が私にチャンスを与えてくれました」

 高知には認定レースがないため中央遠征の機会は乏しい。高知の騎手としては赤岡修次、中西達也、倉兼育康に次ぎ、別府が4人目だ。

 「クロスオーバーの性格は“ツンデレ”です。気が強く、堂々としていて、物おじしないタイプ。時々、激しい面も見せます。逆に馬房にいるときは、完全に“デレ”。いびきをかいて寝ている時なんか、めっちゃかわいいですよ(笑い)。そしてレースでは勝負根性を発揮します」

 かわいくて根性があるのは別府騎手も同じ。「精神面を鍛えたい」と単身、ソウルに渡ったこともある。女性騎手としての苦労は?と聞いても「特にないですね」ときっぱり言い切る。

 「得していることの方が多いんじゃないかな。女性騎手同士のレースに呼んでもらったり、少し活躍すればクローズアップしていただけるので」

 日本での女性騎手の最多勝記録は名古屋の宮下瞳元騎手が打ち立てた地方通算626勝。現在456勝の別府騎手は歴代2位。「尊敬する瞳さんの記録」(別府)を追いかけて調教にレースに精を出す。

 「女も男も“自分の努力次第”だと思います」

 高知競馬は18日に重賞「黒船賞」を控えている。「IPATで馬券が売られるようになり、高知競馬の知名度も上がりましたが、より多くの方に知ってもらいたい。阪神競馬場で何とか高知をアピールしたいですね!」。別府騎手の目は輝いていた。

 ◆別府 真衣(べっぷ・まい)1987年(昭62)12月8日、高知県生まれの26歳。父は別府真司調教師。05年10月9日、高知3Rでデビュー。センターカノンで初騎乗初勝利。08年カノン賞(高知)をロマンタッチで勝ち、重賞初制覇。09年、韓国プサンで行われた「KRA国際女性騎手招待競走」に日本代表で出場。昨年57勝でNARグランプリ「優秀女性騎手賞」を受賞(3年ぶり6回目)。芝レースは昨年、マカオに招待された際に騎乗して以来。通算4628戦456勝(3日終了現在)。1メートル51、41キロ、血液型O。

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