【共同通信杯】イスラボニータ完勝“実に強い”ダービー見えた!

[ 2014年2月25日 05:30 ]

イスラボニータ(右)が共同通信杯を制して3連勝で皐月賞に向かう

 クラシックの栄冠が見えた。降雪で代替開催(東京6日目)となった「第48回共同通信杯」が24日、東京競馬場で行われ、1番人気、蛯名正義(44)騎乗のイスラボニータが直線で抜け出して完勝。昨年のいちょうS、東京スポーツ杯2歳Sに続く3連勝で東のクラシック最有力候補に浮上した。今後は皐月賞(4月20日、中山)へ直行する。

【レース結果】

 1着馬の脱鞍所の前で栗田博師が顔を紅潮させている。「実に強かったね」。社台レースホース・吉田照哉代表が握手の手を伸ばすと力を込めて握り返した。「ゆとりのある勝ちっぷり。このまま自然体で進むだけです」。報道陣の輪の中に入り、言葉を振り絞った。

 G1・5勝のベテラントレーナーにクラシックを確信させるV走だった。ただ1頭、ライバルより1キロ重い57キロを背負ったイスラボニータが直線の坂を馬なりで上がってくる。坂上でようやく追い出すとステッキ連打で粘るサトノアラジンを造作もなく突き放した。3歳世代最強を告げるしなやかな脚さばき。後続に1馬身1/4差の完勝ゴールだ。

 「思い描いていた以上に良くなっていた。直線ではどこでも割っていける手応えだった」。満足そうな笑みを浮かべながら蛯名はタオルで汗をぬぐった。「スタートがうまくなりすぎていてハナを切る勢いだったが、行かせちゃいけない、次がある!と思って他馬の後ろに入れた。直線に向いたところで“よし、行くぞ”というフットワークになったので大丈夫だと思った」と振り返った。

 放牧明けで臨んだ3歳始動戦。同師は「ダービーがピークになるように調整しているが、2歳時に比べて首さしがグッとたくましくなった」と成長ぶりに目を細めた。昨年暮れには放牧先の社台ファーム(北海道千歳)から朗報が届けられた。競走馬理化学研究所が実施している遺伝子のDNA距離鑑定を受けたところ、ダービーの2400メートルまで守備範囲との評価。吉田代表は「2400メートルはやってみないと分からないが、少なくとも2000メートルまでは問題ない。シンから丈夫でキリッとした馬。これは走るぞ」。次走・皐月賞を経てダービー(6月1日、東京)へ。「さあ、これからが本当の勝負だ」。栗田博師は念願のクラシック獲りへ再び顔を紅潮させた。

 ◆イスラボニータ 父フジキセキ 母イスラコジーン(母の父コジーン)牡3歳 美浦・栗田博厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道浦河町社台コーポレーション白老ファーム 戦績5戦4勝 総獲得賞金1億451万9000円。

 ≪遺伝子による距離鑑定とは≫競走馬理化学研究所が実施する適距離鑑定。距離適性に影響を及ぼす遺伝子の配列(ミオスタチン=筋肉量制御=遺伝子配列)を調べ、C/C型(1000~1600メートル)、C/T型(1400~2400メートル)、T/T型(2000メートル以上)の3つの型に鑑定される。イスラボニータはC/T型だった。

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