【小倉大賞典】領家師 ゼロスに思いを乗せ東京から見守る

[ 2014年2月21日 05:30 ]

今月で引退となる領家師はゼロスとポーズ

 日焼けした肌。真一文字に結ばれた唇。領家政蔵師(70)は普段と変わらぬ雰囲気で定年引退の感想を語った。「騎手見習いから、この世界に約55年。調教師として目標だった800勝も達成できた。良い時もそうでない時もあったが毎週、好きなことをやれて幸せだった。競馬は本当に楽しかった」

 昨年11月に現役5人目のJRA800勝。95年桜花賞(ワンダーパヒューム)、08年朝日杯FS(セイウンワンダー)でG1・2勝の重鎮も若い頃は苦労を重ねた。騎手見習い時代、靴磨き、洗濯は当たり前。道具は先輩からのお下がりで、乗馬ズボンの穴の開いた場所から、いつも血がにじんだ。それでも競馬の魅力から離れられなかった。

 思い出に残る馬は重賞3勝馬ミレニアムバイオ。02年安田記念。4番人気に推され、1枠2番からロスなく立ち回ったものの、最後の直線でインに詰まり、アドマイヤコジーンの3着。「勝てると思った馬で勝てなかった。その悔しさを学んだ」

 最終週は12頭出し。小倉大賞典にはダービーにも出走(12年16着)したゼロスを送り出す。「追い切りの動きが良かった。スムーズに運べればチャンスはある」。師は当日、小倉へ向かわず、東京で最後の大舞台を見守る。「俺がネクタイを締めて立っていたら乗り役(国分恭)も緊張するだろう」。この思いやりが、領家厩舎の強さの秘密だったのではないだろうか。

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