矢野照師 息子に託すG1先頭ゴールの夢

[ 2014年2月21日 05:30 ]

矢野照正師

 91年皐月賞でトウカイテイオーの2着。同馬の引退式当日に劇的復活V(94年東京スポーツ杯)を飾ったシャコーグレイド。98年日経賞V時に枠連と馬連の最高配当を記録し、引退後は警視庁騎馬隊に転身したテンジンショウグン。個性派の名馬を育てた矢野照正師(70)だが、記録にも記憶にも残る代表馬を1頭選ぶなら91年天皇賞・秋の優勝馬プレクラスニーだろう。

 G1史上初の1位入線馬降着による繰り上がりV。師は当時の状況を今も鮮明に覚えている。「ひどい道悪で思い切ってスパイク鉄を履かせたんだ。よく2着に頑張った!!と喜んで検量室へ下りた」。だが、勝負を懸けた蹄鉄のダメージがあり、プレクラスニーは馬運車で運ばれ、検量室前には戻ってこなかった。

 その後、1位入線メジロマックイーンの18着降着が決定。幸いにも脚元は大事に至らず、急きょ厩舎から戻して表彰式へ。しかし、明らかに通常のG1優勝とは雰囲気が違っていた。「賞金は入ったけど、1着でゴールに飛び込む瞬間が調教師には一番のだいご味。それは味わえていない」

 引退後は「競馬からは離れるつもりだった」と言う師だが、息子の英一氏が調教師になったことで気持ちが変わった。「応援するよ。せがれにエール?一生懸命になり過ぎないことだ。ブリンカーは着けず、周りをよく見て余裕を持って…だな」。自らは経験できなかったG1先頭ゴールを、英一師の管理馬で味わう日を心待ちにしている。

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