引退式に6万人…オルフェ、17年にも2世デビューへ

[ 2013年12月23日 05:30 ]

多くのファンを前に引退式に臨んだオルフェーヴル

 金色の馬体がスポットライトに照らされ、キラキラと輝いた。すっかり日が落ちた午後5時すぎに始まったオルフェーヴルの引退式。最終レースが終わって50分がたっても、入場人員の半分近い6万人ものファンがオルフェとの別れのために競馬場に残った。

 「ありがとう!」「いい子をたくさんつくってくれよ!」。有馬記念を勝った「6」のゼッケンをつけたオルフェーヴルと、赤い帽子の池添。レースとは逆に1角から4角方向へと歩いてファンにあいさつをした。走り足りないというふうに前脚を上げたり、駆け脚になったり。やんちゃぶりは最後まで健在。池江師が「オルフェの子供でまた凱旋門賞に挑戦したい」と言うと、スタンドが沸いた。

 師をも驚かせる圧勝だった。「ビックリしました。いい意味でも悪い意味でもこちらの想像を裏切る馬。この馬らしいのかな」。凱旋門賞2着から臨んだ引退戦。レース前は控えめなトーンに終始したが、それでも馬の力は信じていた。「1000メートル通過時が最高の位置取り。八分の出来だが、これなら何とかなるだろうと思った」と早々と勝利を確信した。有馬記念3勝は調教師最多タイ。「目先の勝利にこだわらず先を見据えることで大輪を咲かせることができた」。型破りな愛馬から多くのことを学んだ。

 競走馬生活を終えたオルフェーヴルは今後、北海道安平町の社台SSで種牡馬となり、早ければ17年にも2世がデビューする。希代の名馬はファンに強烈な印象を残し、6時38分に中山競馬場を後にした。

 ▼川合達彦助手 オルフェーヴルの子供の調教をつけるのが今から楽しみ。オルフェは一言で言えば「凄いヤツ」です。

 ▼森沢光晴厩務員 できるだけ優しい気持ちで接するように心掛けていました。全てがいい経験。(可愛らしいオルフェは)あまり見たことないです。

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2013年12月23日のニュース