【有馬記念】ゴールドシップ反攻!並ぶ間もなく3馬身先着12秒2

[ 2013年12月19日 05:30 ]

CWでムーアを背に追い切るゴールドシップ

 黄金の船がついに目覚めた。ムーアを背にしたゴールドシップはアドマイヤランディ(2歳新馬)、ワールドダンス(2歳500万)との栗東Cウッドチップコース3頭併せ。2馬身追いかけ直線、2頭の間へと果敢に突っ込んだ。並ぶ間もなく空間を切り裂き、グイッと3馬身先着。1400メートル97秒6~200メートル12秒2を力強く刻んだ。

【有馬記念】

 2週連続で騎乗したムーア。表情を変えぬクールな英国人が珍しく笑みを浮かべた。「いい動きだった。先週より楽しそうに走っていたし、自分も楽しめて良かった。レースで乗るのが楽しみになった」

 G1・4勝の実績馬が今季は京都大賞典5着、ジャパンC15着と大失速。須貝師は今回、闘志を再点火すべく賭けに出た。まずはブリンカー。先週よりさらに深いタイプを装着した。視界を狭め、集中力を高める馬具だが、視界の急激な変化に戸惑う馬もいる。まさにギャンブルだ。

 そして調教コースを、坂路からCWコースに替えた。このコースでの最終追いは今春の阪神大賞典(1着)以来だ。いつもの2頭ではなく3頭。しかも間を割る、より実戦的なハードトレだった。リスク覚悟で調教メニューを一変させた。

 「レースをイメージして意識的につくった調教。ただ、馬によっては走らないケースもある。でも…戦いから逃げたらアカンからね。一種の賭けだよ。ただ、この馬本来の能力を引き出すには、勇気も必要だと思った。動きには満足している」。やることはやった。須貝師の表情は晴れやかだった。

 同じステイゴールド×メジロマックイーンの配合を持つオルフェーヴルとは最初で最後の激突だ。「初めてオルフェーヴルと戦える。そのことに感謝。胸を借りて、どこまでやれるか。この馬の走りができれば結果はついてくると信じている」。リスクを背負って勝負したその先に、奇跡の大逆転が待っている。

 ≪栗東CWコースのポイント≫1周1800メートル、幅員20メートル。ウッドチップを使用したコース。競馬場と同じ4つのコーナーがあり、長めの距離から実戦さながらの調教を行える。18日はやや重で、1000メートル(5F)67秒台、ラスト200メートル(1F)12秒台前半なら優秀。

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