【有馬記念】アドマイヤラクティ ディープ破った父ハーツの血が騒ぐ

[ 2013年12月18日 05:30 ]

坂路をキャンターで駆け上がるアドマイヤラクティ

 1強ムードが漂う時こそ、ハーツクライ産駒が不気味だ。05年有馬記念でディープインパクトを破った父の再現とばかりに、今年は同期の産駒3頭がスタンバイ。中でもジャパンC4着のアドマイヤラクティは中山で2勝とコース実績があり、虎視たんたんと打倒オルフェーヴルを狙っている。

【有馬記念】

 “ヒール”の血が騒ぐか。05年ハーツクライはルメールが意表を突く先行策に出てディープインパクト相手にV。同じく外国人騎手(ウィリアムズ)を鞍上に配したアドマイヤラクティに一発ムードが漂っている。

 日曜にCWコースで時計を出し、いち早く態勢を整えた。水曜の追い切りは「やってもラスト1F」(梅田智師)とサラリと行う予定。師は「秋4戦目だけに上積みは大きくないかもしれないが、ジョッキーは2度目だからね。月曜のパーティーでも話したけど、相当色気を持っているみたいだったよ」と人馬の呼吸の上積みを強調する。

 オルフェーヴルとは同期だが、今回が初対戦となる。キャリアを重ねながら力をつけ、今年のダイヤモンドSで重賞初制覇。前走・ジャパンCはメンバー2位の上がり3F33秒5をマークして4着と善戦した。「この馬には向かない(瞬発力勝負の)レースだったのに、あれだけの競馬ができた。善戦しながらいつも前に何頭かいるが、ジェンティルドンナと0秒1差だからね」と成長を実感。充実一途の今、2勝を挙げている中山ならさらにやれていい。

 テンションが上がりやすい面があり、対策として馬場入場を先出しで行っている。だが、京都大賞典時(4着)は同じく先出しのゴールドシップが先に馬場入りした後に立ち止まり、スムーズに返し馬に入れなかった。そこでジャパンCでは「何が何でも先に出せ」との指示。ゴールドより内枠だったこともあり先に馬場入りし、スムーズにレースに向かうことができた。今回も枠順がポイントになりそうだ。

 オルフェーヴルが逸走した12年阪神大賞典で金星を挙げたギュスターヴクライ、今年の天皇賞・秋でジェンティルドンナを並ぶ間もなく差し切ったジャスタウェイもハーツクライ産駒。断然の主役あるところにハーツあり。師は「何とかひと泡吹かせたい。これから秘策を考えるよ」と不敵な笑みを浮かべた。

 ≪05年有馬記念VTR≫ジャパンCでレコードVアルカセットの鼻差2着に好走していたハーツクライだったが、追い込み脚質が中山では不向きと判断され、レース当日は4番人気。だが、いざゲートが開くとルメールは好位3番手につける先行策。意表を突く作戦に場内はどよめいた。直線坂下で先頭に立つと、断然人気ディープインパクトの追い上げを半馬身差で封じ、無敗3冠馬に初めて土をつけた。

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