【阪神JF】5センチ差の大接戦!2歳女王はレッドリヴェール

[ 2013年12月9日 05:30 ]

フォーエバーモア(奥)ハープスター(中)を制し1着でゴールするレッドリヴェール

 勝負根性が光った。2歳女王決定戦「第65回阪神ジュベナイルフィリーズ」が8日、阪神競馬場で行われた。5番人気のレッドリヴェールが圧倒的1番人気に推されたハープスターとの首の上げ下げを鼻差、写真判定でわずか5センチ差を制してG1初制覇。3戦3勝で2歳女王の栄冠に輝いた。鞍上の戸崎は今年3月にJRAに移籍してからG1初勝利。須貝厩舎は昨年のローブティサージュに続く連覇となった。

【レース結果】

 たぐいまれな勝負根性がレッドリヴェールを勝利に引き寄せた。ラスト1Fから前を行くフォーエバーモア、後ろから追い上げるハープスターと火の出るような叩き合い。勢いでは明らかにハープスターが上で一度はかわされたように見えたが、ゴールの瞬間はリヴェールがわずかに前に出ていた。検量室前の脱鞍所、厩舎スタッフに1着の場所へ手招きされた戸崎は「勝ってるの!?」と驚いた表情。電光掲示板の1着欄に「8」の文字がともると、ようやく安どの笑みを浮かべた。

 「蛯名さんの馬をかわして“やった!”と思ったら、内から…。ハープスターが来ていることは気付かなかったし、ゴールの瞬間はホントに分からなかったです。引き揚げてきたスタッフに言われて大丈夫かなと思いました。中央に移籍後、ようやくG1を勝てて、しびれるぐらいにうれしいです」

 抜群のスタートからスッと下げて道中は中団追走。前半5F58秒4のハイペースを深追いすることなく脚をためた。スパート開始は4角入り口。馬群を割ってジワジワ伸びると「馬が前をかわそうという気になった」と戸崎。馬自身の“負けたくない”という強い気持ちが最大の勝因と振り返った。

 須貝厩舎にとっては昨年のローブティサージュに続く連覇だ。小柄で線の細い馬体を考慮し、札幌2歳Sから直行する大胆ローテが成功。香港に遠征中の指揮官はネット中継で勝利を見届け、自らの不在中に大仕事を成し遂げたスタッフ、そして初コンビで抜群の手綱さばきを披露した戸崎を現地からねぎらった。

 「スタッフがよく頑張ってくれたし、戸崎君も落ち着いて乗ってくれた。もちろん馬も小さな体で、この強いメンバー相手によく混戦を耐え抜いたね」

 担当するのは同じくステイゴールド産駒のゴールドシップも手掛ける今浪厩務員。年末の大一番へ弾みが付く1勝だ。そしてレッドリヴェールは来春のクラシックを中心的存在として迎えることになる。「能力が相当に高いことは証明できた。桜花賞の前に一度叩くかどうかは、オーナーサイドと話し合って決めたい」と須貝師。無敗の2歳女王は、桜舞い散る仁川で再び主役の座を目指す。

 ◆レッドリヴェール 父ステイゴールド 母ディソサード(母の父ディキシーランドバンド)牝2歳 栗東・須貝厩舎所属 馬主・東京ホースレーシング 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績3戦3勝 総獲得賞金1億386万2000円。

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