【JCダート】パンツオンファイア ブリーン師「勝つつもりで来た」

[ 2013年11月29日 05:30 ]

阪神ダートコースを軽快に流したパンツオンファイア

 秋のダート頂上決戦「第14回ジャパンCダート」(12月1日、阪神)の枠順が28日、確定した。4年ぶり参戦の米国馬パンツオンファイアは、滞在中の阪神競馬場でマイペース調整も、来日したケリー・ブリーン師(44)は本気の参戦をアピール。ダート競馬の本場・米国からやって来た「穴馬」が名手ゲイリー・スティーヴンス(50)の腕で日本馬を慌てさせる?

【JCダート】

 前夜の雨で空気も砂も引き締まった早朝の阪神競馬場。ダートコースに姿を現したパンツオンファイアは、軽やかな脚さばきでキャンター1周。24日に最終追い(5F64秒7~12秒6)を済ませて以降、連日、同じメニューでの調整だ。27日に来日したブリーン師は愛馬の動きを見届け「2週間ぶりに馬を見たがフレッシュでとてもいい。エネルギーが満ちあふれているようだ」と満足そうだ。

 4年ぶりにジャパンCダートに参戦する米国馬。本気か、観光ついでの物見遊山か気になる。44歳のイケメントレーナーは、きっぱりと言い切った。「もちろん勝つつもりで来た。高い賞金(1着=1億3000万円)は魅力だが、3歳時から誘いを受けていて、いつか日本に来たいと思っていた」。

 よほど日本の水が合うのか。28日の調教後の計量では544キロ。過去最高体重とのことだが、師は「本国にいる時より重いが、輸送で細くなってしまうよりはいい」とプラス思考。初の阪神コースについても「本拠地のモンマスパークにダートの質が似ている。右回りも調教では問題ない」とした上で「阪神はギャロップレーサーで攻略している」とニヤリ。日本で90年代後半に人気を博した競馬ゲーム。「若い頃にハマッてね。ユタカ・タケには何度もやられた。阪神も何度も走ったから特徴は頭に入っている」と余裕!?の笑みだ。

 馬名の意味は「尻に火がつく、慌てふためく」だが、別の意味もある。「米南東部を大きなハリケーン(05年カトリーナ)が襲った時、消防隊が多くの命を救う姿に感動した。消防にちなんだ名前をとオーナー(ホール夫妻)と話して決めた」。ユニークな言葉の中にも人命救助に尽力した消防隊員への敬意の念を。単なる面白馬名ではない、崇高な“真の由来”がそこにあった。

 3歳時にはペースメーカーとして出走したルイジアナダービー(G2)を勝って、全米の競馬関係者を驚かせた。ルーラーオンアイスで米クラシック「ベルモントS」を制した経験もあるブリーン師は「パンツは過去の管理馬の中でもトップクラス。とてもタフでクオリティーの高い馬」。戦歴にも馬名にも“意外性”を秘めたPOF。これは侮れない。

 ▼ギャロップレーサー 日本のゲームメーカーであるテクモ(現コーエーテクモHD)が製作した競馬ゲームで96年発売。プレーヤーは騎手として騎乗馬を選び、騎手の目線で実在のレースを戦う。道中の折り合いや仕掛けのタイミング、コース描写なども忠実に再現されている。

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