【ジャパンC】アンコイルド後藤 「勝ちたい」一戦は運命の2枠

[ 2013年11月22日 05:30 ]

復帰後初のJRA・G1に燃える後藤

 第33回ジャパンCの枠順が21日、決定。ケガから復帰後、初のJRA・G1となる後藤浩輝騎手(39)がアンコイルドで挑む。競馬学校時代に強いインパクトを受けた89年の同レースは2枠2頭の叩き合い。同じ2枠から大仕事をもくろむ。

【ジャパンC】

 後藤が復帰後初となるJRA・G1に燃えている。「久しぶりというより初めてのような気持ち。ワクワクする」。子供のように無邪気な笑みを浮かべた。

 20日の最終追い切り。栗東へと駆けつけ、新たなパートナー・アンコイルドの感触を確かめた。「どんな競馬でもできそう」と好感触を得たが、「クエスチョンマークが大きくなった部分もある。どういうレースが合うのか。これから想像を膨らませる」。ゲートが開く直前まで、最善のレース運びを考え抜く。これは、馬に乗る喜びを再認識した今の後藤にとって、苦ではなく、楽しい作業だ。

 落馬による大ケガから復帰後、順調に勝ち星を重ねた。先月14日、交流G1・南部杯をエスポワールシチーでV。レース勘は完全に戻った。先月27日の国立特別(東京)。8番人気ネオウィズダムをインを突く巧みな騎乗で勝利に導き、矢作厩舎所属馬で初勝利。喜ぶ矢作師に思い切って、オープンで活躍する馬への騎乗をお願いした。「アンコイルドにジャパンCで乗れることになった。びっくりした」。ディープブリランテでダービーを制した実力派トレーナーも、今の後藤の勝負勘が研ぎ澄まされていることを認めたのだ。

 ジャパンCには特別な思いがある。「初めて憧れたレース。競馬学校時代、ホーリックスが勝ったジャパンC(89年)を見て、このレースに乗りたい、勝ちたいと思った。ダービーよりも有馬記念よりも特別」。2着はオグリキャップ。芦毛2頭の叩き合いに心を躍らせた。憧れのジャパンCこそ、後藤の復帰後初のG1舞台にふさわしい。

 アンコイルドは2枠3番に決まった。24年前に首差の大接戦を演じた芦毛2騎も2枠だった。あの2頭と同じ黒帽をかぶり、後藤が最も勝ちたい一戦へ、全力で挑む。

 ≪後藤 復帰後の経過≫
 ▼13年8月28日 トレセンでの調教騎乗再開。

 ▼10月5日 東京2Rで復帰。8番人気のモンサンカノープスで2着。

 ▼同6日 東京7Rをシンボリエンパイアで制し、復帰後初勝利。

 ▼同14日 エスポワールシチーで南部杯優勝。復帰後わずか9日でG1制覇を飾る。

 ≪89年ジャパンC・VTR≫前半1000メートル58秒5の猛ラップを3番手で追走した6歳牝馬、ニュージーランドのホーリックス(2番)が内から抜け出し、そこにマイルCSから連闘のオグリキャップ(3番)が襲いかかる。しかし、首差及ばず。勝ちタイムは2分22秒2、衝撃の日本レコード(当時)。3着は前年の覇者ペイザバトラー、1番人気スーパークリークは4着。枠連(2)-(2)は6760円(当時は馬連なし)。

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