【マイルCS】トーセンラー“淀殿”襲名!初のマイル戦で初G1

[ 2013年11月18日 05:30 ]

大外から突き抜けた武豊騎乗のトーセンラー(手前)がマイルCSを制覇

 ターフを切り裂くような鋭い末脚で馬群を一気にのみ込んだ。直線、外に進路を取ったトーセンラーがゴーサインに瞬時に反応してトップスピードへ。上がり3Fはメンバー最速の33秒3。直線だけで前の13頭をかわすと、最後は2着ダイワマッジョーレに1馬身差でゴール。武豊のG1・100勝と同時に、ラーにとっての悲願であるG1初制覇がかなった。

【レース結果】

 藤原英師は人馬一体のパフォーマンスを絶賛した。「トーセンラーにとっても豊にとってもメモリアルの勝利。二重の喜びになった。馬も人も全てがパーフェクト。本当にいい脚を使ってくれた」

 京都大賞典3着で始動した今秋は天皇賞を登録だけにとどめ、全3勝をマークし、5着以下に落ちたことがない得意の京都外回りに狙いを絞った。初めてのマイル攻略へ。これまでのCWコース中心の追い切りから坂路へとチェンジ。前半ゆったりのパターンを捨て、坂路で序盤からびっしりと負荷を掛けた。スピード、瞬発力を極限まで磨き抜いた。

 「春に3200メートルに使った馬をマイルに使うことには賛否両論あった。だが(島川隆哉)オーナーが理解してくださり、スタッフ、騎手が(対応できると)信じて、このタイトルを獲れた。これは重要な意味がある」(藤原英師)

 オルフェーヴルと同じ5歳世代。一昨年2月、きさらぎ賞で重賞初制覇を果たした約1カ月後、東日本大震災が起きた。3月11日は宮城県・山元トレセンに滞在していた。ギリギリのところで津波の被害をまぬがれ、普段の何倍もの時間をかけて栗東トレセンに帰厩した。「震災に遭った後も大事に育ててきた。精神力も運もある馬。人間が見習う点もあった。ラーに勇気づけられた」(同師)

 これからは堂々、G1馬として戦っていく。今後は「馬の成長を見ながら決めたい」との方針。マイルから長距離まで。距離を問わず、G1戦線を盛り上げていく。

 ◆トーセンラー 父ディープインパクト 母プリンセスオリビア(母の父リシウス)牡5歳 栗東・藤原英厩舎所属 馬主・島川隆哉氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績20戦4勝 総獲得賞金4億561万円。

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2013年11月18日のニュース