競馬人生55年…大井・石田師、勇退「悔いはない」

[ 2013年10月25日 06:00 ]

勇退する石田師

 【地方競馬です!!】大井競馬が誕生したのが1950年。中学を卒業した石田少年が、北海道から大井へとやってきてから、かれこれ55年。石田貞雄師(69)の歩みは、そのまま大井競馬の歴史に重なる。

 今月31日での勇退を決めた石田師。18日、地元大井6Rで、所属馬最後の出走(ニコマル12着)を見届け、「人馬とも無事で終わって安心した。悔いはない」と胸をなで下ろした。「遊び相手が馬という環境に育った。馬が大好きだった。高校に合格していたけど、中学卒業の3日後には馬と一緒に貨車で大井にやってきたんだ」。長かった。だが、あっという間の競馬人生だった。

 補佐時代に調教で乗ったイナリトウザイ、ハツシバオー。調教師となり重賞をプレゼントしてくれたウメノローザ。馬との思い出は尽きない。ゲート入り時の覆面を考案した。トゥインクルレース開催へ奔走したこともある。現在の大井をつくり上げる一つのピースとして、惜しむことなく力を注いだ。「ナイター競馬はあちこちにお願いして10年くらいかかった。本当に大変だったけど、競馬のための苦労なら楽しかった。今はそう思う」。16日にハイセイコー記念を勝った、かつての弟子・鷹見師から花束を受け取った。味わいのある笑顔だった。(秋田 麻由子)

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2013年10月25日のニュース