【菊花賞】皐月、ダービー2着から3度目の正直 エピファ菊大輪

[ 2013年10月21日 06:00 ]

直線で他馬を置き去りにし、圧勝したエピファネイア(左から2頭目)

 牡馬3冠最終戦「第74回菊花賞」が20日、京都競馬場で行われた。3番手を進んだ単勝1・6倍の1番人気エピファネイアが2着サトノノブレスに5馬身差をつける圧勝劇で共に半馬身差2着に泣いた皐月賞、ダービーの無念を晴らし、クラシック初制覇を飾った。管理する角居勝彦師(49)は04年デルタブルース以来、2度目の菊花賞制覇(G1通算19勝目)となった。

【レース結果】

 エピファネイア陣営の執念が結実した。折り合い難に泣いた春2冠の無念を、93年ビワハヤヒデ以来の5馬身差の“圧勝”で晴らした。

 前夜からの雨でたっぷり水分を含んだ菊花賞史上、56年ぶりの不良馬場。「重たい馬場。それまでのレースを見ると、前残りが多い。思い切っていい位置を取って、我慢できるかどうか?」。これまでと違った競馬を考えなければ…。そう悟っていた角居師も、あえて福永に指示を出さなかった。言葉は交わさずとも、心は相通じていた。

 1周目、正面スタンド前では逃げるバンデ、ネコタイショウの3番手。中団で折り合いに専念せざるを得なかった皐月賞&ダービーとは違う正攻法。最終4コーナーでは逃げるバンデの2番手に堂々と進出し、ノーステッキで豪快に突き抜けた。同師は「最初の下り坂とスタンド前。一瞬我慢できなくなりそうだったのを、よくしのいでくれた。3000メートルをこなせて良かった」と鞍上の好プレーを称えた。

 夏場は厩舎一丸でメンタル面の強化に努めた。舌を縛り、リングバミが結果に反映した神戸新聞杯と同じ装備で挑んだラスト1冠。「確かに馬具を替えたり、いろいろ試行錯誤したが、それは小手先。最後は調教を繰り返し、人間のソフトに勝るものはない。福永くんが筋トレに励んでいたのも知っていました」。指揮官は笑顔で続けた。

 母は同じ角居厩舎で活躍した05年オークス馬シーザリオ。10年2月11日、生まれた時からG1を義務付けられた良血が、雨上がりの淀で花開いた。「たくさんの試練を与えてくれる馬。ファンの方もこの血統の活躍を喜んでくれると思う。まだ上を目指せる馬だし、そうしなければならない」と指揮官は真顔で結んだ。

 皐月賞&ダービー2着馬として93年ビワハヤヒデ以来20年ぶり5頭目の菊花賞馬となったエピファネイア。念願のG1初タイトルを得て、父、母を超える活躍へ一気に視界が広がってきた。

 ◆エピファネイア 父シンボリクリスエス 母シーザリオ(母の父スペシャルウィーク)牡3歳 栗東・角居厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績8戦5勝 総獲得賞金3億9788万7000円。

続きを表示

この記事のフォト

2013年10月21日のニュース