【菊花賞】ユールシンギング併入12秒8 北村宏「凄く乗りやすい」

[ 2013年10月18日 06:00 ]

併せ馬で仕上げたユールシンギング(左)

 美浦の菊花賞出走馬は全て17日に追い切られ、セントライト記念を快勝したユールシンギングはポリトラックで軽快な走りを披露。台風で追い切りを1日延期した影響を全く感じさせなかった。格上挑戦でトライアルを制した上がり馬が、操縦性を武器に下克上を狙う。

【菊花賞】

 静かに穏やかに、だが一発を狙っている。ユールシンギングがきっちり臨戦態勢を整えた。ポリトラックでファーストオーサー(2歳500万)を追走。道中は行きたがるそぶりも見せずリズムいい走り。直線は楽な手応えでしっかり伸び、5F67秒9~1F12秒8で併入した。

 台風の影響で水曜に予定していた追い切りを木曜に延期したが、勢司師は「全く問題ない」ときっぱり。馬なりで時計は地味だが、これも予定通りだ。師は「目的はジョッキーの指示を聞いて走ること。ほぼクリアできた」と満足げ。手綱を取った北村宏の表情も明るい。「凄く乗りやすい馬。普段も乗りやすいし、競馬も素直に走ってくれる。操縦性がいい」と長所を口にした。父シンボリクリスエス、母の父スペシャルウィークは“1強”エピファネイアと同じ。だが、東のトライアル覇者には折り合いの不安が全くない。

 未勝利突破までに4戦を要したが、秋に飛躍。新潟で古馬相手の500万を快勝すると、返す刀で格上挑戦のセントライト記念も鮮やかに差し切った。北村宏は「追ってからモタれずに、いいストライドになってきた」と成長を実感。師は「彼ほど馬のことを考えてくれるジョッキーはいない。馬と人が信頼関係を築いてきた」と人馬の呼吸を武器に挙げた。思わぬ展開になることも少なくない菊花賞。そんな時こそユールの出番だ。

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2013年10月18日のニュース