【秋華賞】メイショウマンボ2冠!武幸「自信あった」兄とワンツー

[ 2013年10月14日 06:00 ]

秋華賞で歓喜の2冠を達成したメイショウマンボ(左)武幸はド派手にガッツポーズ

 牝馬3冠最終戦「第18回秋華賞」が13日、京都競馬場で行われ、3番人気メイショウマンボ(飯田明)が中団待機から鋭く伸び、1馬身1/4差の快勝。史上7頭目のオークス、秋華賞2冠馬となった。2着はスマートレイアーで武幸四郎(34)、武豊(44)の兄弟1、2着が実現。武幸は00年ティコティコタック以来、13年ぶりの秋華賞制覇となった。1番人気デニムアンドルビーは4着だった。

 これがオークス馬の底力だ。直線半ば、横にずらりと広がっての叩き合いから、グッと抜け出したのはメイショウマンボだった。武幸の右ムチがしなる。2着スマートレイアーに1馬身1/4差つけ完勝。主戦は右手を振り上げ、さらに左腕でガッツポーズをつくると、馬上で何かを叫んだ。お立ち台での第一声は「正直、自信がありました」。史上7頭目となるオークス&秋華賞2冠馬の鞍上にふさわしい貫禄があった。

 相棒を信頼していた。ここ5年で勝つどころか、3着にも絡めていない8枠を引いた。ゴチャつかないが、距離ロスは大きい。導き出した答えはただ1つ。「馬を信じて乗る」。先行集団が飛ばしても、慌てず馬とのリズムを大事にした。4角手前で外からデニムアンドルビーが手綱をしごいて上がってきたが、冷静さを保った。「すぐにスイッチが入ってシュッと動けるタイプではないが、いったん加速すると止まらない。このきれいな馬場なら何とかなる。小細工せず乗った。責任を果たせてホッとした」

 5月にオークスを制すと、完全休養で放牧へ。馬が栗東を離れても、武幸の頭からマンボの存在が離れることはなかった。「夏の間もずっと気になっていた。無事、栗東に戻って、こうして結果も出してくれた。心強い馬です」。ローズS4着で無難に始動し、直前はビシビシと攻めて2冠制覇。武幸は頼もしき相棒の首筋をいとおしそうになでた。

 89年開業の飯田明師にとっては2度目のG1制覇だ。オークスは前日に体調を崩して病院でテレビ観戦。歓喜の瞬間に立ち会うことができなかった。この日は京都へ。レースを見届けたトレーナーはしみじみと喜びを語った。「やっぱりテレビで見るのとは違う。今週は今までで一番いい追い切りができたし、仕上がりには自信があった。幸四郎君が自信を持って、うまく乗ってくれた。本当に強かった」。世代限定戦を最高の形で締めくくった。次走はエリザベス女王杯(11月10日、京都)が有力。3歳女王から真の女王を目指す。

 オークスでは松本好雄オーナーと握手をして涙がぽろぽろとこぼれた武幸。今回は涙はない。「人間もひと夏越して成長したかな。でも、まだ恩返しが足りない。もっと勝たなきゃ」。武幸四郎、34歳。その表情には、経験を積み、熟成された男の味わいがあった。

 ◆メイショウマンボ 父スズカマンボ 母メイショウモモカ(母の父グラスワンダー)牝3歳 栗東・飯田明厩舎所属 馬主・松本好雄氏 生産者・北海道浦河町高昭牧場 戦績9戦5勝 総獲得賞金3億420万3000円。

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