【秋華賞】スマートレイアー“規格外”の切れに豊絶賛「出来過ぎ」

[ 2013年10月10日 06:00 ]

帰国したばかりの武豊を背に、併せたツルオカハチマン(奥)に先着するスマートレイアー

 栗東組で武豊騎乗のスマートレイアーは坂路馬なりで猛時計を叩き出し、上がり馬らしい勢いを感じさせた。

【秋華賞】

 スマートレイアーは前走1000万特別を古馬相手に快勝してこの大舞台に駒を進めてきた。最終追いは武豊を背に坂路併せ馬。僚馬ツルオカハチマン(4歳500万)を相手に2馬身追走から“馬なり”で1馬身先着。耳を絞り、闘争心をむき出しにするダイナミックなフォームで4F51秒5~12秒1の超抜時計を叩き出した。稽古をつけた武豊のトーンも自然に上がる。

 「もともと稽古は動くタイプだけど、きょうは出来過ぎ。デビュー戦を勝ったときから、これは、という素質を感じていた。秋に間に合えばと思っていたが、しっかりと成長してくれた。乗り味が良く、スタートも上手で追って切れるし、瞬発力は相当。あとは当日のテンションだけ」

 名手にここまで言わせる非凡な推進力と力強い蹴り。だが、そのパワーを生み出す脚元には常に不安がつきまとっていた。デビューは3歳の春。陣営は無理をさせることなく、その時を待った。高野助手は大舞台への意気込みを語る。

 「脚元の弱さも解消されて稽古をしっかりと積めるようになった。まだ未完成な部分もあるが、3歳同士では負けていない。豊さんも本番に向けて一戦一戦、試すように乗ってくれている。前走もあえて早めに抜け出して強い勝ち方ができた。中2週でも体は減ることなく状態はいいです」

 4戦3勝、キャリアは浅いがレースセンスは抜群。唯一の敗戦は休み明けで臨んだ2走前で、新潟輸送を考えての軽め調整で息の入りが悪かった。敗因は明確で陣営に焦りの色はない。白星を挙げたレースは上がり3Fのタイムがすべてメンバー最速。“規格外”の切れ味を武器にラスト1冠獲りへ万全の態勢が整った。

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2013年10月10日のニュース