【凱旋門賞】高橋義忠師 帯同馬のメリットは大きかった

[ 2013年10月3日 06:00 ]

高橋義忠師

 近年の凱旋門賞遠征では常識となった帯同馬。08年10着だったメイショウサムソンにも、ファンドリコンドルが常に寄り添った。同馬の担当が当時助手の高橋義忠師(44)だった。

 「コンドルがいたことでサムソンは落ち着いて調教できた。併せ馬の相手も務めたことで、調教も組み立てやすかった」。帯同馬の存在は人間にも安心感を与えた。「森のような広い調教場に1人でポツンといるより、仲間がいた方が安心する。帯同馬の乗り手が、サムソンをしっかり見ることもできる。このメリットは大きかった」

 11年3月、定年の父と入れ替わるように開業した。今度は帯同馬の鞍上でなく、自らが指揮官となって海外遠征。そんな志を抱いている。「できれば、これまで日本馬が行ったことのない国に行ってみたいね」

 師にとって重要な経験となった“帯同馬”について、もう一言、付け加えた。「日本のレベルは上がっている。1000万条件で頑張っている馬なら、向こうの重賞でも、そこそこやれると思う」

 サポートに徹するだけでなく、レースでも結果を残す。それが帯同馬の理想。開業3年目、若き指揮官は、いつか来る異国での戦いを見据えた。

 ◆高橋 義忠(たかはし・よしただ)1969年(昭44)5月3日、滋賀県生まれの44歳。父は騎手、調教師として活躍した高橋成忠氏。調教助手を経て、11年開業。主な管理馬はサンレイレーザー、メイショウスザンナ。

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