【凱旋門賞】名手ルメール オルフェ“自信”健在「本当に強い馬」

[ 2013年9月27日 06:00 ]

今年の凱旋門賞戦線と日本馬2頭について分析したルメール

 凱旋門賞(10月6日、ロンシャン)まで、あと9日。いよいよカウントダウンが始まった。フランス人騎手きっての日本通、クリストフ・ルメール(34)がスポニチ本紙の取材に答え、オルフェーヴル(牡5=池江)とキズナ(牡3=佐々木)のVの可能性を分析。さらに警戒すべきライバルの名も挙げた。

 日本でもおなじみのルメールが、今年の凱旋門賞に出走する日本馬2頭、そして凱旋門賞について語った。

 まずはオルフェーヴルについてだ。開口一番、「昨年(2着)も、もう少し硬い馬場(昨年=重)だったなら勝っていただろう」。そう口を開き、さらに続けた。「今年のフォワ賞(1着)で彼は自信が健在であることを証明してみせた。本当に強い馬だ」。競走馬には“自信”が肝心。ルメールはそう考えている。使った後も順調であることを伝えると、「当然、大きなチャンスだろう」と言い、うなずいてみせた。

 もう1頭、キズナに関しては次のように語った。「遠征初戦(ニエル賞)でいきなり勝つのは、能力が高くなくてはできない。ディープインパクトの子で、ユタカ(武豊騎手)が完全に手の内に入れているのも彼の強み。こちらも怖い存在だ」。日本競馬のレベルの高さは重々承知のルメール。その中で3歳世代の頂点に立ったキズナは世界でもトップに立つ資格があるとみている。

 つまり、日本馬は2頭ともチャンスありという見解。その上で、今年の凱旋門賞そのものについても語った。「近年まれにみるハイレベルな一戦だ。ドイツのノヴェリストも怖いし、あとはアンテロ(仏ダービー馬)。馬体が素晴らしくて、いかにも頭の良さそうな馬なんだ」。また、ヴェルメイユ賞を制した無敗の牝馬トレヴも有力視している。「3歳牝馬は重量面で恵まれる。日本馬は2頭ともチャンスはあるが、欧州勢もあっさりと降参することはないだろう」。今年も見応え十分の激戦となることは必至だ。

 ◆クリストフ・ルメール 1979年5月20日、フランス生まれの34歳。父パトリスは障害の名騎手。競馬学校には所属せず、16歳でアマチュア騎手登録。99年騎手免許取得。02年初来日。05年有馬記念ではハーツクライに騎乗してディープインパクトを撃破。09年ジャパンCをウオッカで制した。06年ドバイシーマクラシックをハーツクライで優勝。日本では1715戦208勝。

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