【スプリンターズS】グランプリボス 成熟の秋、2階級制覇へ意欲

[ 2013年9月25日 06:00 ]

内田を背に、坂路へ向かうグランプリボス

 今週は秋のG1開幕戦「第47回スプリンターズS」(29日、中山)が行われる。マイルG1・2勝馬グランプリボスが初の1200メートル戦に参戦を決断。これまでレースで引っ掛かるところを見せていただけに、道中のペースが上がる距離短縮は望むところ。陣営がまさに満を持しての投入で不気味なムードが漂ってきた。

【スプリンターズS】

 ついに“パンドラの箱”を開ける。マイルG1・2勝馬グランプリボスは今回初めて1200メートル起用。父が93~94年にスプリンターズSを連覇したサクラバクシンオー、そして調教でなだめるのに苦労するほどのすさまじい前進気勢から、矢作師はスプリント適性が高いと判断。以前から温めていたプランだという。

 「調教を見たら分かるでしょう。スピードとパワーを兼ね備えていて、千二は間違いなく合う。ただ今回はスペシャリストがそろうので、置かれて位置取りが後ろすぎなければ」

 5歳秋での起用には理由がある。指揮官は「一度千二に使ってしまうと、千六には戻れなくなるからね。以前はその心配があった」と短距離専門になることを危惧。だからこそ気性面が成長した成熟期にゴーサインを出した。「この後マイルCSを使うときには調教が大変だろうけどね」と前置きしつつも「今なら(千二から千六に戻しても)何とかなると思う。衰えてからじゃなくて、いいときに一度使いたかった」と語った。

 この中間は先週水曜から内田がほぼ付きっ切りで調教をつけている。内田は宝塚記念前にゴールドシップとの“二人三脚調教”で復権Vに導いた。ボスの距離短縮も「千二でも対応できるって気持ちが自分にはある」と仕事人は言葉を選びながら意欲満々だ。

 折り合いの心配はない。力量の不安もない。この馬なら、スプリント界の既成勢力をまとめて打ち破って不思議はない。開いた“箱”の底には、2階級制覇への希望がある。

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2013年9月25日のニュース