凱旋門賞の強敵トレヴ オルフェよ、今年も“女”は手ごわいぞ

[ 2013年9月11日 06:00 ]

トレヴを頼もしそうに見つめるヘッド師

 凱旋門賞(10月6日、ロンシャン)は牝馬が2連勝中。昨年、オルフェーヴルは4歳牝馬ソレミアに差し返され大魚を逸した。今年も警戒すべきは牝馬。ディアヌ賞(仏オークス)を4馬身差圧勝したトレヴ(牝3、父モティヴェーター)が強敵だ。54・5キロの軽量(古牡馬59・5キロ、3歳牡馬56キロ)をバックにオルフェ、キズナの前に立ちはだかる。管理するマダム・クリスチャン・ヘッド師(64=フランス)を直撃した。

 ――トレヴは小さな馬ですね。

 ヘッド師 牝馬らしい小柄な馬です。でも、こんな体からは考えられないくらい、スピードだけでなくスタミナもある。それが彼女のいいところです。

 ――ディアヌ賞まで手綱を取ったジャルネ騎手も、スーパーフィリー(凄い牝馬)と言っていた。

 その通り。ただ走るというだけでなく賢くて、コントロールもイージー。騎手がほれるタイプです。

 ――前走後オーナーが替わった(ケネー牧場→シェイク・ジョアン殿下=カタール)ため、次走のヴェルメイユ賞(15日、ロンシャン)ではデットーリが初騎乗。

 はい。でも、もともと乗りやすい上に、この中間、フランキーがわざわざ英国から駆けつけて調教にも騎乗しました。それに、彼は名騎手なので乗り代わりの不安はありません。

 ――2400メートルは?

 これも初めてですが、折り合いのつく馬なので大丈夫でしょう。

 ――期待は大きい。

 もちろん。ディアヌ賞は負かした馬がその後にG1を勝つなどレベルの高いレースでした。今年の3歳は牡馬よりも牝馬の方が強いと思います。

 ――日本馬2頭との比較はどう見るか。

 オルフェーヴルは昨年の凱旋門賞(2着)で強い馬であることが分かっています。キズナは正直、よく分からないけど日本馬のレベルが高いことは承知しています。比較という意味では前哨戦を見ないと何とも言えませんが、いずれにしても強敵であることは分かっています。

 ――前哨戦、そして本番が楽しみ。

 今年は近年まれに見るハイレベルな戦いになりそうです。日本馬と好勝負できるのが私の馬であることを願っています。

 ▼マダム・クリスチャン・ヘッド 1948年11月6日生まれの64歳。祖父ウィリアムが元騎手、父アレックはオーナーブリーダー(生産者兼馬主)、母ジスラインが馬主で兄フレディも調教師。86年仏ダービー馬ベーリング、10年英1000ギニー勝ちスペシャルデューティーなどG1馬も多数管理。97年には日本遠征(キステナでスプリンターズS14着)歴も。

続きを表示

この記事のフォト

2013年9月11日のニュース