ダービーを勝ってアフリカへ 54歳相沢師の夢はでっかい!

[ 2013年8月2日 06:00 ]

相沢郁師

 もし調教師になっていなかったら?定番の質問に、普段は小声で言葉数も決して多くない相沢郁師(54)が熱く語り始めた。「大学(麻布大獣医学部)時代の親友に、海外青年協力隊でアフリカのザンビアに渡って活動し、今は長崎大で教授になっている人がいるんだ。たまに会うけど、住む世界が違う感じ。自分にも、そういう人生があったのかな」

 獣医と迷った末に飛び込んだ競馬の世界では、厩舎開業2年目の99年にウメノファイバーでオークスVの偉業。その後も順風満帆だったが、04年に年間8勝と勝利数が激減した。「馬の故障が続き、徐々に馬もいなくなり…。調子に乗っていたのかも。試練だった」。だが、翌05年には22勝とすぐに持ち直し、昨年は自己最多の29勝。「従業員が、いい生活を送れるようにするのが経営者の仕事。このペースでいきたい」と口元を引き締める。

 今後の目標は「オークスを勝ったからダービーも獲りたい。勝てたら調教師をやめてもいい。そしてアフリカへ?行きたいね。野生動物を助ける仕事をしたい気持ちは今もある」。最高の栄誉を手に入れ、人生の集大成となる旅へ。実にいい夢だ。

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2013年8月2日のニュース