【七夕賞】マイネルラクリマ完全復活!後方一気、3馬身半楽マクリ

[ 2013年7月4日 06:00 ]

単走のはずが3頭併せになったマイネルラクリマ(左)は鋭い末脚で軽々先着した

 サマー2000シリーズ開幕戦「第49回七夕賞」(7日、福島)の追い切りが3日、美浦、栗東トレセンで行われた。骨折休養明け4戦目となるマイネルラクリマがWコースで本番さながらの3頭併せで楽々と先着、完全復活を印象づけた。

【七夕賞】

 「なんて追い切りなんだ!?」。マイネルラクリマの追い切りを見守る報道陣から一斉に驚きの声が上がった。Wコースに入ったラクリマが気持ちよさそうに向正面を駆ける。誰もが「単走」だと思った、その時。残り4Fで同じ上原厩舎のムードティアラ(3歳500万)とリライブナカヤマ(3歳未勝利)が一気に抜き去っていく。あっという間に2頭から3馬身後方に置かれたラクリマだったが、4角で大きく外に進路を取る。そして馬なりのまま僚馬に並びかけ、鞍上が手綱をしごくと一瞬で3馬身半突き放してのゴールだ。ラスト1Fは12秒9。抑えきれない手応えでビュンとはじけた。

 報道陣に囲まれた上原師は「実はね、単走の予定だったんだけど、2頭と一緒になってしまった」と想定外だったことを明かした。抜かれて抜き返す。期せずして出入りの激しい小回りの福島コースでの実戦を予行演習する形となった。それでも「引っ張りきれないぐらいの手応え。直線は飛んできたね。このままのいい状態で出せればいいね」と満足顔だ。

 骨折で1年1カ月の休養を余儀なくされたが、復帰2戦目の前々走・福島民報杯を3馬身半差で圧勝し、前走・都大路Sでは最速の上がりで差を詰め2着。ここ2戦のレースぶりから、重賞ウイナーの完全復活は目前だ。平田助手は「ブランクや骨折が気にならないくらい、いい稽古が積めている。自信を持って本番に臨める」と仕上がりの良さを強調した。

 3戦連続のコンビとなる柴田大も「折り合いもつくし、素直で乗りやすい。注文のつかない馬」と気性を絶賛。「切れるというより、長くいい脚を使うタイプ。早めに動かしていきたい」とVへの青写真を描いた。イタリア語で「涙」を意味するラクリマは骨折した左トモ(後肢)にボルトが埋め込まれている。苦しい涙を流しながら困難を乗り越えた後には歓喜の涙が待っている。

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2013年7月4日のニュース