【ラジオNIKKEI賞】伏兵ケイアイチョウサン 鮮やかイン強襲V

[ 2013年7月1日 06:00 ]

混戦のラジオN1KKE1賞を制したのはインから差した横山典騎乗のケイアイチョウサン

 ノリの技あり!福島開幕を飾る3歳重賞「ラジオN1KKE1賞」が30日、福島競馬場で行われ、8番人気の伏兵ケイアイチョウサンが、鮮やかなイン強襲で重賞初V。昨年から夏は福島を主戦場としているベテラン横山典弘騎手(45)の巧腕がさえた。

【レース結果】

 これぞノリの真骨頂。鮮やかなイン突きでケイアイチョウサンに初重賞をプレゼントした横山典は、雄叫びとともに引き揚げてきた。

 「イェ~イ、天才!!」

 開幕週の絶好馬場。前有利と誰もが早めに動く中、後方3番手のインで息を潜めた。4コーナーでも動かず、そのまま内へ。残り100メートル。空いた!!バテたナンシーシャインとアドマイヤドバイの間、1頭分のスペースを見逃さず飛び込んだ。横一線の4頭の最内からチョウサンの首がグイッ。通算2418勝の腕がさえわたった。

 横山典はラジオたんぱ賞時代の05年コンラッド以来のV。「久々だね。内狙い?開幕週だから。直線は進路を探すのが大変だった。追ったのは、ほんの一瞬だけだった」。密集を一刀両断した鞍上はニコリと笑った。

 最終追いに騎乗し、ひそかに手応えは得ていた。「乗り味は良くないのに、結果は出ている。だから内心期待していた」。2勝馬の身だが、年初の京成杯で3着。3歳馬同士なら重賞でも好走できる裏付けはあった。外を通っては絶対届かない開幕週のセオリーを忠実に実践した。

 小笠師は10年京成杯AH(ファイアーフロート)以来の重賞2勝目。指揮官は「全てノリさんのおかげ。名手の騎乗を見せてもらいました」と最敬礼。「やはり切れる。これで秋が楽しみになった。少し休養させ、今後をいろいろ考えたい」。G2、G1と上のステップを視野に入れた。

 東日本大震災を機に、横山典は従来の北海道ではなく、昨夏から主戦場を福島に切り替えた。震災後の福島重賞初V。「開幕週から、お客さんにこれだけ来ていただいた。本当に良かった」。ベテランの巧腕が福島の夏をさらに熱くするはずだ。

 ◆ケイアイチョウサン 父ステイゴールド 母シャドウシルエット(母の父シンボリクリスエス)牡3歳 美浦・小笠厩舎所属 馬主・チョウサン 生産者・北海道平取町坂東牧場 戦績11戦3勝 総獲得賞金6294万5000円。

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