【宝塚記念】“決め手最強”ローゼンケーニッヒ 良血一族開花だ

[ 2013年6月19日 06:00 ]

無欲の直線強襲で波乱を起こすローゼンケーニッヒ

 栗東ではG1初出走のローゼンケーニッヒが、2連勝を飾った切れ味で3強に勝負を挑む。

【宝塚記念】

 “泣きの橋口師”でなくても、強気な言葉は出てこないだろう。ローゼンケーニッヒは1000万を勝ったばかりの条件馬。師が「他に取材する馬がいるだろう」と苦笑いするのも無理はない。確かに3強は強い。だが、勢いでは負けていない。

 1000万を連勝中。ともに良血開花を印象づける好内容だ。デビュー3戦目の若葉Sに28キロ減で出走するなど3歳春はカイバ食いが悪くて苦労した。その分、出世が遅れたが、昨夏以降は食いも良くなり馬体安定。師が「以前から能力は買っていた。順調なら重賞の1つや2つは勝っていたはず」。能力をようやく発揮できるようになった。

 厩舎ゆかりの、いわゆる「バラ一族」。祖母ロゼカラー、母ローズバドともに重賞を勝ち、兄は5日に引退したG1・2勝馬ローズキングダムだ。「母もそうだったし、一瞬の切れ味はこの血統らしい」。その末脚こそが最大の武器だ。

 昨秋は500万の身で神戸新聞杯(5着)に挑戦。ゴールドシップには完敗を喫したが、上がり3Fはゴールドとわずか0秒1差。メンバー2位の34秒6をマークした。加えて3走前の仲春特別(2着)も注目に値する。翌日に行われた大阪杯と同じ阪神内回りの芝2000メートルでメンバー最速の3F33秒2。ペースや走破時計の違いはあるが、大阪杯を勝ったオルフェーヴルが3F33秒0だから、師が「脚はあるんだ」と繰り返すのもうなずける。

 調教では行きたがってラストがバタバタになるように、折り合いがポイント。師は「シルポートが3~4馬身離して逃げて、その後ろに集団ができる。そこから1~2馬身後ろでポツンと行ければ。馬混みに入ったら掛かると思うから、いかにリラックスして走らせるか」と好走パターンを思い描く。11頭立てなら十分可能な“ポツン追走”。無欲の直線強襲が波乱を演出するか。

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2013年6月19日のニュース