順調追い切り後に衝撃!オルフェーヴル、肺出血で宝塚回避…

[ 2013年6月14日 06:00 ]

調教を終えたオルフェーヴルは検査で肺出血が判明(左は池江師)

 夢の“4強対決”ならず――。「第54回宝塚記念」(23日、阪神)の1週前追い切りが行われた13日、ファン投票1位に支持されたオルフェーヴルが肺出血を発症、同レースを回避することになった。池江泰寿師(44)は「今後のローテーションは全くの白紙」とコメント。昨年2着のリベンジを誓う、仏G1凱旋門賞(10月6日、ロンシャン)挑戦にも暗雲が立ちこめてきた。

【宝塚記念】

 オルフェーヴル陣営に衝撃が走ったのは13日朝、宝塚記念の1週前追い切りを終えた直後だった。坂路を馬なりで4F52秒5~1F12秒5の好時計を刻み、併走馬を3馬身ぶっちぎった。騎乗した池添も「1週前としては十分な動きだった。体はほとんど出来上がっている」と確かな手応えを得ていた。だが厩舎へ引き揚げてくると…。

 「追い切りをした後の息の入りがもうひとつでした。せきもあったので、これは普通じゃないな、と思って獣医さんに検査してもらったところ、肺からの出血が認められました」と経緯を語った池江師。

 検査の結果「運動誘発性肺出血」の診断が下った。レースなどの激しい運動のあとに起こるもので、出血の量が多ければ鼻出血へとつながる。だが、今回は鼻からの出血はないので出走制限に該当する症状ではない。しかし、この状況では到底「ベストのコンディションには持っていけない」(池江師)と判断。オーナーサイドと協議した結果、回避という苦渋の決断を下した。

 「せっかくファン投票1位に支持してもらったのに申し訳ないです。この状態で出せば残りの“3強”にも失礼だし、何よりも今後のオルフェの競走人生にも関わってきますから」

 今回は鼻出血までは至らなかったが「肺出血、鼻出血は一度発症すると再発リスクが高くなる」(美浦の獣医師)という“クセ”になる病。言葉通り近年もウオッカ、レッドディザイアなどのG1馬がこの病の再発で引退に追い込まれている。

 池江師はそこを踏まえ「秋にちゃんと走れるように、という意味も込めての早めの回避。今までの経験からいくと2週間運動をセーブすれば毛細血管が復活して良くなるので再発を防げるレベル」と気持ちを切り替えて視線を先に向けた。

 今後は近日中に滋賀県栗東近郊のノーザンファームしがらきへ放牧に出る。凱旋門賞へのローテーションは全て白紙となり、馬の体調をみてオーナーサイドと話し合いを進めていくことになった。このピンチを克服し「5冠馬」は果たして立ち直れるのか。競馬ファンは、その一挙手一投足から目が離せなくなってきた。

 ▽運動誘発性肺出血(EIPH) 肺の血管の一部が破れて出血する状態のこと。出血の量が多く重度になると鼻出血を発症する。オルフェーヴルの場合は追い切り後の内視鏡検査で肺に出血痕が確認された。栗東トレセンの競走馬診療所の石川裕博検査課長は「一般的に肺出血は程度の軽いもので、安静にしていれば問題はない。今回は早期発見だったため大事に至らなかった。今後の競走能力にも影響はないと思います」と話した。

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