競馬ファン安堵「実質、無罪だ」 「法律おかしい」の声も

[ 2013年5月23日 11:40 ]

 1億4千万円のもうけに対して、5億7千万円の課税が認められるのか―。多くの競馬ファンが注目した23日の大阪地裁判決は、脱税の罪に問われた元会社員(39)を有罪とする一方、外れ馬券を経費と認め、脱税額も大幅に減額した。「実質的に検察、国税当局の負け。無罪だ」。法廷に駆け付けた競馬ファンは笑みを浮かべ、安堵の表情を見せた。

 大阪地裁で最も大きい201号法廷。黒っぽいスーツを着た元会社員は緊張した面持ちで現れた。傍聴席に目をやることなく静かに被告人席に座ると、言い渡しの間、両手の拳を強く握りしめ、真っすぐに裁判長を見つめていた。

 裁判長が主文を繰り返すと、元会社員は小さく一礼。「今後、税金関係はきちんとしてください」という説諭に、かみしめるように小さく2回うなずいた。

 言い渡し後、会見した中村和洋弁護士は「判決理由は説得力があり、正当に法律を解釈している」と評価。「判決を踏まえて制度をきちっと整え、(競馬の払戻金を)宝くじのように非課税にするなど分かりやすくすべきだ」と国税当局に注文を付けた。

 元会社員は2004年、100万円を元手に、本格的なネットによる馬券の継続購入を始めた。倍率や馬のデータを基に自動的に賭けるシステムを構築。5年間ほぼ全てのレースを対象にし、黒字を出していた。

 だが払戻金を確定申告しなかったとして起訴され、会社も退職に追い込まれる結果に。被告人質問では「妻は毎日泣いている」とうなだれた。

 一方、ファンの間では「判決は不公平だ」との声も。これまでも法廷に足を運び、公判の行方を注目してきた男性は「せっかくもうかるシステムを努力して発見したのに有罪となり、法律がおかしいのではないか。この元会社員だけがなぜ処罰されたのか、判決を聞いた後も分からない」と話した。

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