初判断「外れ馬券は必要経費」 元会社員、有罪も脱税額10分の1に

[ 2013年5月23日 10:12 ]

 競馬の払戻金への課税で、外れ馬券が経費と認められるかどうかが争われた刑事裁判の判決で、大阪地裁(西田真基裁判長)は23日、「営利を目的とし継続的に馬券を購入した場合は、外れ馬券の購入費も必要経費になる」との判断を示した。

 その上で、払戻金を申告せず5億7千万円を脱税したとして、所得税法違反(単純無申告)の罪に問われた大阪市の元会社員の男性(39)について、脱税額を約5千万円に減額して懲役2月、執行猶予2年(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。

 競馬の払戻金の不申告が刑事裁判に発展するのは異例で、外れ馬券の経費算入についての初の司法判断とみられる。検察側は経費に含まれないと主張、元会社員は無罪を訴えていた。判決後、元会社員は「主張が全面的に認められた」とのコメントを出し、控訴しない方針を示した。

 元会社員は2007~09年、インターネットで28億7千万円分の馬券を購入し、払戻金30億1千万円を得ていた。

 国税庁通達は、競馬の所得を偶発的な「一時所得」としているが、判決は「原則的には一時所得だが、元会社員の馬券の購入方法は一般的な馬券購入とは異なり、継続性があり、娯楽にとどまらず、資産運用の一種だ」と判断。外国為替証拠金取引(FX)や先物取引と同様に「雑所得」と指摘し、雑所得の課税実務に合わせ「外れ馬券の購入費も必要経費」と判断した。

 検察側の「所得は当たり馬券代だけを差し引いた28億8千万円」との主張を否定し、3年間の競馬による所得を「1億4千万円」と認定した。

 有罪とした理由については「申告義務を認識しながら国税当局が摘発しないと身勝手な判断をした。納税意識を欠いた犯行」と述べた。

 一般的なサラリーマンの場合、一時所得のもうけが年90万円を超えると申告義務が生じる。元会社員は、無申告加算税を含め約8億1千万円の追徴課税処分を受け、処分の取り消しを求める民事訴訟も起こしている。

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