【ダービー】ロゴタイプ2冠へ C・デムーロ兄弟制覇だ!

[ 2013年5月20日 06:00 ]

ダービーへ向け、ダートコースで調整するロゴタイプ

 さあ、競馬の祭典に向け、1週間のスタートだ。10年に生産されたサラブレッド7197頭の頂点を決める「第80回ダービー」は26日、東京競馬場でゲートインする。皐月賞を快勝したロゴタイプはミルコ・デムーロ(34=イタリア)から、弟クリスチャン・デムーロ(20=同)へスイッチ。バトンを託された20歳の若武者が独占インタビューで胸の内を明かした。

【ダービー】

 ――ダービー目前。押し寄せるプレッシャーとどう向き合っているのか。

 「僕はプレッシャーに強いよ(笑い)。心掛けているのは平常心でいること。ダービーを必要以上に意識せず、普通のオープンのレースを楽しむ。そんな気持ちでいたい」

 ――ロゴタイプのセールスポイントは?

 「クレバー(賢い)ホース。自由自在にレースを運べる。スタートが速くて折り合いもつく。それでいてパワフル。2400メートルの距離も問題ない」

 ――弱点や課題は?

 「シークレット(秘密)だよ(笑い)。うーん、弱点…(隣の兄に向かって)あったかな?」

 ミルコ「馬群の中に入ってスペースがなくなった時だけだね」

 「だそうです(笑い)」

 ――兄からはどんなアドバイスが?

 「僕もスプリングSで乗っているので分かっているが、ミルコは3~4コーナーでいいポジションにいることが大事、勝負根性があるのであとは大丈夫だ、と。全く同感」

 ――朝日杯FSと皐月賞では兄が騎乗してG1・2勝。ダービーは弟が騎乗。凄い兄弟バトンだ。

 「ミルコはダービーでも乗りたかったと思うが、こうして僕にチャンスが巡ってきた。この馬に関わる全ての人に感謝したい。ダービーの後、フランスに転戦しているミルコに、電話でいい報告ができたらと思う」

 ――世界各国で、20歳そこそこの若手騎手が活躍している。ライバル意識はあるか。

 「例えばジョセフ・オブライエン(※1)は父が世界的に有名な調教師。ミカエル・バルザローナ(※2)もゴドルフィン(※3)と契約している。僕はといえば、母国イタリアの競馬そのものが厳しい状況。彼らは僕のことなど知らないんじゃないかな」

 ――兄ミルコのおかげで、今の自分があると、よく話している。

 「その通り。ミルコを見ていると、日本の人々に愛されていることがよく分かる。それは期待に応えるだけでなく、ファンが胸を熱くするようなレースを何度もやってきたからだと思う。僕も同じようになりたいし、その背中を追い掛けたい。日本ダービーの歴史には、03年優勝騎手ミルコ・デムーロ(ネオユニヴァース)と書いてある。今年はクリスチャン・デムーロ(ロゴタイプ)と、ぜひ記したい」

 ※1 世界的調教師エイダン・オブライエンの長男。昨年の英ダービーをキャメロットで制し、19歳でダービージョッキーに。
 ※2 フランスのホープ。19歳で英ダービーを勝ち、20歳でドバイワールドCを制した。
 ※3 UAEの王族マクトゥーム家による競走馬管理団体。世界中の大レースを制している。

 ◆クリスチャン・デムーロ 1992年7月8日、イタリア生まれの20歳。09年イタリアで騎手免許を取得、45勝をマーク。11年1月、NAR(地方競馬全国協会)短期免許取得。2月のクイーンCでJRA初騎乗(スクランブルエッグ15着)。同年222勝でイタリアリーディング。12年1月、JRA短期免許取得。京都牝馬S(ドナウブルー)で重賞初制覇。今年の桜花賞(アユサン)でG1初制覇。19日終了現在、JRA通算45勝(重賞5勝)。兄ミルコが騎手、父ジョワンニバティスタは元騎手、姉パメラは調教師という競馬一家。1メートル61、47キロ。

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