【ヴィクトリアM】共にV字回復!大知イサベルでいざG1連覇へ

[ 2013年5月8日 06:00 ]

今週も柴田大知が主役だ

 大知、連発頼むぞ!!今週は牝馬の頂上決戦「ヴィクトリアマイル」。先週のNHKマイルC(マイネルホウオウ)を制した柴田大知(35)が、マイネイサベルに騎乗。もう一丁に期待だ。過去には2年間も勝てないなど、どん底も味わったが、成績はV字回復。苦労人のエスコートぶりに注目だ。

【ヴィクトリアM】

 「おめでとう」の声が次々と降り注ぐ。笑顔の中心は、NHKマイルC、マイネルホウオウで平地G1を初めて制した柴田大だ。「今でも信じられない。映像を動画サイトで何度も見た」と振り返った。

 06~07年は勝ち星0。これ以上ないどん底を経験した男が実現した究極のV字回復。競馬の神様がほほ笑むどころか、柴田大と肩を組んで大笑いしているような状況の今、G1連勝を期待するのも決して無理筋ではない。今週もパートナーは同じ勝負服、マイネイサベルだ。

 中山牝馬Sから福島牝馬S、そしてG1へ。昨年と同じ臨戦過程だが、着順が全く違う。4→5→6着の昨年に対し、今年は1→2着。5歳に入り体も成長。昨年の福島牝馬Sは468キロだったが、今年は484キロ。トモ(後肢)の膨らみは以前と比較にならない。

 主戦・松岡が前走の直線で斜行。騎乗停止となり、柴田大に声が掛かった。1週前追いで初めて手綱を取り、「凄いパワー。バネもあるし、これなら切れる脚を使ってくれそう」と驚いた。初G1を狙う水野師も「安定して力が出せるようになった。しっかり脚をタメれば、いい脚を使える。東京マイルは申し分ない条件」と腕をぶす。

 年間0勝だった頃、周囲から引退を勧められた柴田大。悩んでいた時、青木騎手(故人)から1冊の本を借りた。そこには「何かをなし遂げたかったら、24時間考え続けろ」とあった。目が覚めた。厩舎回りを始めた。全休日には北海道の牧場へと飛んだ。「格安切符を探した。正直、牧場への手土産すら厳しかった」。懸命にもがく姿を見た人が手を差し伸べてくれたことで、今の柴田大がいる。

 「未勝利でも重賞でも一緒。一戦一戦、大事に乗っていくだけ」。2年間0勝だった騎手が2週連続G1を勝ったって、全く驚かない。競馬に奇跡は付き物なのだから。

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