【福井・共同通信社杯】長塚がG2初優勝!王者村上の番手戦制す

[ 2013年4月30日 06:00 ]

1着でゴールする長塚智広(中)、2着の深谷知広(左)

 G2「第29回共同通信社杯競輪」の決勝戦は29日、福井競輪場で行われ、村上義弘の逃げに乗った長塚智広(34=茨城・81期)が追い込んで優勝。賞金2090万円(副賞含む)を獲得した。長塚のG2優勝は初、ビッグレース(G2以上)優勝は11年12月の小倉競輪祭以来2回目。なお2着は深谷知広で2車単(3)―(2)3320円(14番人気)の決着だった。

 長塚が村上の番手戦を制してG2初優勝を飾った。決勝戦はまず村上の番手勝負に専念。周回中に安東と並走を続けると「内にいると脚力を消耗すると思い、下げた」と冷静に判断。勝負どころの打鐘で一瞬の動きで番手を確保した。

 村上が神山拓を叩いて主導権を握ると長塚は「村上さんの魂、王者の走り、気迫あふれる走り」を肌で感じて最終バックを通過した。最終2センターで後ろを見ると「一本棒で誰も来てないしラインで上位独占しようと思った。(あとは)思い切りペダルを踏んで村上さんとのゴール勝負」。長塚は深谷の強襲を封じてゴール線を先頭で駆け抜けた。

 「まさか自分が優勝するとは思わなかった」。28日の準決に茨城勢は武田、長塚、芦沢、十文字、牛山の5人が出場。しかし決勝進出を決めたのは長塚1人。「準決で武田さんに迷惑を掛けてしまったこともあり…。みんなの分も頑張ろうと思った」という強い気持ちも勝利につながった。

 今年前半は「体調とセッティングがかみ合わずに」長塚らしい切れが見られないレースもあった。しかし「後輩の牛山君と芦沢君が最近凄く頑張っているので刺激を受けている」ことや、今大会の準決の日に「斉藤努さんにセッティングを見てもらった」ことで復調の手応えを感じていた。

 この優勝で賞金順位が4位に上昇。「賞金は一戦一戦の積み重ねだけど、SSとしてグランプリを目標にしていますから(優勝は)素直にうれしい」。3年連続のGP出場を目指す長塚に勢いをつける1勝だった。

 ◆長塚 智広(ながつか・ともひろ)1978年(昭53)11月28日生まれの34歳。茨城県出身。98年8月デビュー。通算成績は903戦283勝。通算獲得賞金は4億4486万5100円。主な優勝はG1・第53回小倉競輪祭(11年)、G2・第29回福井共同通信社杯(13年)。04年アテネ五輪チームスプリントで銀メダル獲得。1メートル81、92キロ。血液型A。

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