【立川ダービー】山崎 ここからが戦い、対策はバッチリ

[ 2013年3月23日 06:00 ]

グランドスラムを狙う山崎

 ゴールデンレーサー賞で6着完敗の山崎だったが、こちらが拍子抜けするほど悲壮感はなかった。「新車を試してみたけど駄目。チェンジだね」と早速、整備に取りかかった。展開がもつれ、深谷が目の前の4番手にはまり一気にまくり快勝。一方、5番手の自分はもどかしいほど伸びを欠いた。それでもはっきりした敗因があるだけに不安はない。「元のに戻してフレームも元に戻す。ギアも4・58から4・25に下げる」と対策を練っている。

 準決勝ではまたも深谷との対戦になる。直接対決で敗れた上に、連勝で破竹の勢いに乗る若武者が相手ではいかにも分が悪いようにも思えるが、山崎も手の内を全てさらけ出しているわけではない。ここまでG1・8勝の実力者。常に100%の力を出し切って最後まで進めるほど、G1は甘くないことはよく分かっている。ここからが山崎の本当の戦いだ。

 勝負事に欠かせないツキもある。初戦ではホーム過ぎに3人が落車するアクシデント。「一瞬、ホームから仕掛けようと思ったが自重した。あそこで仕掛けていたら、落車に巻き込まれていたかもしれない」。本来の戦法、後方からのまくりを貫いたことで、落車も避けられしっかり2着に届いた。「マックスのギア(4・58)で重かったけど、ほかの人も風で止まっていた。悪くはないと思うよ」と確かな手応えを得ている。

 深谷とは直前のいわき平記念でも対戦したばかり。決勝では北日本5人の好連係で深谷を4着に抑え、山崎が優勝を飾っている。連勝で勝ち上がってきた鈴木謙太郎に前を任せて、狙うはその再現だ。グランドスラムを阻む最大のライバルをねじ伏せて決勝進出を決めれば、偉業達成の可能性が一段と膨らんでくる。

 ◆山崎 芳仁(やまざき・よしひと)1979年(昭54)6月12日生まれの33歳。福島県いわき市出身。学法石川高卒。03年7月プロデビュー。主な優勝は第57回高松宮記念杯(06年)、第48、50回競輪祭(07、09年)、第23、25回全日本選抜(07、09年)、第17回寛仁親王牌(08年)、第53、55回オールスター(10、12年)。1メートル74、85キロ。血液型AB。

 ▽競輪のグランドスラム 年に6レース行われる特別競輪(日本選手権、高松宮記念杯、寛仁親王牌、全日本選抜、オールスター、競輪祭)に全て優勝すること。過去に井上茂徳氏、滝沢正光氏(共に引退)、神山雄一郎が達成している。以前は特別競輪は5レースで、94年から寛仁親王牌が加わった。

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