【高松宮記念】未知の勢力!シルクフォーチュン「芝の走り楽しみ」

[ 2013年3月22日 06:00 ]

芝2戦目がG1となるシルクフォーチュン。ダートで鍛えた末脚がサク裂するか

 カナロアを止めてみせる!!春の短距離王決定戦「第43回高松宮記念」(24日、中京)の出走馬が21日、確定した。世界を制したロードカナロアの1強ムード。逆転の可能性を秘めるのは別路線組しかいない。怖いのはデビュー戦以来、4年7カ月ぶりに芝に挑戦するシルクフォーチュン。驚異の末脚でカナロアを差し切るか。同レースは22日、枠順が確定する。

【高松宮記念】

 この芝挑戦は決して無謀ではない。ダート重賞3勝のシルクフォーチュンは新馬戦(5着)以来、4年7カ月、31戦ぶりの芝レース出走。しかもそれがG1の大舞台。しかしだ。今回の芝参戦のきっかけは近2走で騎乗した名手・横山典からの進言だ。藤沢則師が「彼が芝がいいと言ってくれた」と明かした。

 デビュー2戦目からは徹底してダート路線。ただ、芝が合わないからという理由ではなかった。「もともと硬い馬。3歳時に左トモ(後肢)の飛節も骨折した。脚元への影響を考えてダートを使ってきた」と指揮官は振り返った。

 過去にフォーチュンの手綱を取ってきた騎手は今回の芝挑戦を歓迎する。骨折復帰2戦目から騎乗、3連勝に導いた小牧は証言した。

 小牧 僕が乗っていた時から芝を使ってほしいと思っていた。ダートで凄い上がりを出す馬。芝ならもっと切れるし、芝の化け物になるかも。面白い。

 小牧が騎乗した10年の出石特別でマークした上がり3Fは34秒1。芝なら32秒台も夢ではない。さらに8戦に騎乗し、重賞2勝を挙げた藤岡康も後押しした。

 藤岡康 芝スタートのコースでの走りが悪くなかった。僕が乗っていた時より、柔らかさが出てきているようだし楽しみ。

 ダートから芝に転向して大成した馬はいる。スリープレスナイトは4歳夏前に芝路線に戻り、3連勝でスプリンターズSをV。ショウナンカンプはダートばかり10戦使った後、芝に転じて山城S、オーシャンS、高松宮記念と3連勝。芝短距離王へと上り詰めた。

 芝、ダートG1を計6勝したアグネスデジタルは、芝未勝利からマイルCSを制している。“二刀流ホース”を育て上げた栗東の重鎮・白井師はフォーチュンの血統面に注目した。

 白井師 裏付けはある。ヌレイエフの3×3なら、いける。デジタルも母系から芝は大丈夫と思っていた。ただ、芝を何度か使うことで芝に適応するフットワークになった。できればG1前に1度、芝を使いたかったかな。

 とは言え、心躍るチャレンジであることは間違いない。狙うなら勝負付けの済んだ馬より未知の魅力。大外から伸びたシルクフォーチュンがゴール前、カナロアをのみ込む可能性は、決してゼロではない。

 ◆芝転向短距離G1馬

≪スリープレスナイト≫デビュー2戦は芝レースに出走し2、3着。そこからダート路線を歩み、6勝をマーク。4歳夏前に芝路線に戻り、08年CBC賞、北九州記念、スプリンターズSと3連勝。翌年も芝レースに出走し高松宮記念2着、セントウルS2着。

≪ショウナンカンプ≫デビューから10戦全てダートに出走し【3124】。4歳2月に初めて芝の山城S(02年)を使って勝つと、同年オーシャンS、高松宮記念と無傷の芝3連勝でG1制覇。その後ダート出走はなく、スワンS、阪急杯優勝と芝で活躍した。

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2013年3月22日のニュース