福山競馬、残り2日 黒川騎手「最後まで全力で」

[ 2013年3月22日 06:00 ]

“最後の福山ダービー”を制したカイロス(左)

 【地方競馬です!!】JR福山駅から無料バスで10分。正門を入って左手にある売店にはソースの香りに誘われた人々の焼きそばを求める行列ができていた。17日、私にとって最初で最後の福山競馬場は想像以上のにぎわい。この日の入場者は4192人。24日の廃止まで開催は残りわずかとなり記憶に焼き付けようとするファンが思い思いに競馬を楽しんでいた。

 向正面に川と山を望むのどかな風景。地方競馬らしく馬と距離が近い。パドックでは専門紙の記者と常連客が慣れた様子で馬券検討をしていた。客と関係者の距離も近い。黒川騎手は「(ゲート入り前に)輪乗りしているところも見られる。小さい競馬場だがその分近くで人馬の息づかいを感じられる」と言う。

 この日、ケガから復帰初日だったベテランの嬉騎手は絶妙な仕掛けで2勝と気を吐いた。現リーディングの佐原騎手は福山ダービーを含む3勝。その福山ダービーは単勝1・1倍の圧倒的支持を受けたカイロスが逃げ切って、最後のダービー馬の称号をガッチリつかんだ。好敵手イワミノキズナは直線で首差まで追い詰めた。2歳から続くライバル2頭の熱いマッチレース。小さな弁当箱型のコースに色とりどりの勝負が詰め込まれていた。

 残す開催は23、24日の2日。「最後まで全力で走り続ける。だけど、もう少し早くお会いしたかったですね」。黒川騎手の言葉がグサリと突き刺さった。 (秋田 麻由子)

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2013年3月22日のニュース