【中山牝馬S】マイネイサベル 直線一気の末脚で3度目重賞V

[ 2013年3月11日 06:00 ]

中山牝馬Sを制したマイネイサベル。松岡はゴール直後にガッツポーズ

 10日中山競馬場で行われた古馬牝馬のハンデ戦「第31回中山牝馬S」は、直線一気の末脚でマイネイサベルが3度目の重賞V。春の大目標となるヴィクトリアマイル(5月12日、東京)へ弾みをつけた。

【レース結果】

 中山牝馬Sの表彰式を終えた水野師が鉛色の空を見上げながら、つぶやいた。「良馬場ならこれぐらい切れる。雨が何より心配だったが、何とかもってくれたのが大きい」。マイネイサベルにとって瞬発力が殺される道悪は大敵。重馬場にのめって4着に敗れた昨年のうっ憤を目の覚めるような追い込みで晴らした。

 道中、中団につけて1番人気オールザットジャズをベタマーク。直線坂下でスパートすると、並ぶ間もなく差し切った。鞍上の松岡にとっては今年初の重賞V。ゴール直後、拳を軽く突き上げて引き揚げてくると会心のレース運びを振り返る。

 「思い通りの展開。オールザットを目標にいい脚を使ってくれた。後ろから行っても切れ味負けしないと思っていた」。3カ月の休養明けのうえ56キロの重ハンデ。レース前は「自信ないよ」と弱気の虫がもたげていたが「予測以上にしっかりしていた。東京の方がより切れ味を生かせるし、春が楽しみになった」と続けた。

 この日の馬体重は2年1カ月ぶりの勝利を飾った府中牝馬S(昨年10月)と同じ470キロ。水野師は「今回は先を見据えての仕上げだった。追い切り(6日)当日の測定で478キロと少し余裕を持たせておいたが、その後の4日間で馬自身が体をつくった。きょうの競馬を見ても、完成の域に近づいているのは間違いない」と語った。

 新潟2歳S、府中牝馬Sに続く3度目の重賞制覇の先にあるのは念願のG1タイトル。今後はヴィクトリアマイル(5月12日、東京)直行が有力だ。「とにかく良馬場で走らせたい。レース当日の天気予報はどうなの?今から分かるわけないか」。水野師は6番人気馬の完勝劇にどよめく中山のウイナーズサークルから上空を見上げた。

 ◆マイネイサベル 父テレグノシス 母マイネレジーナ(母の父サンデーサイレンス)牝5歳 美浦・水野厩舎所属 馬主・サラブレッドクラブ・ラフィアン 生産者・北海道新ひだか町高橋修氏 戦績19戦4勝 総獲得賞金1億9934万2000円。

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