【弥生賞】伏兵カミノタサハラ剛脚2強斬り!ウチパク絶妙仕掛け

[ 2013年3月4日 06:00 ]

直線抜け出し弥生賞を制したカミノタサハラ(手前)。クラシック戦線へ殴り込みだ

 大混戦の牡馬クラシック戦線にまた1頭、新星が登場した。皐月賞トライアル「第50回弥生賞」が3日、中山競馬場で行われた。6番人気の伏兵カミノタサハラが差し切りV。父ディープインパクト(05年V)と同じ勝負服で、同レース3組目の父子制覇を飾った。2着ミヤジタイガ、3着コディーノまでが皐月賞(4月14日、中山)の優先出走権を獲得した。また、3連勝中で1番人気に支持されたエピファネイアは4着に敗れた。

【レース結果】

 内田の剛腕で、力ずくで、皐月切符を奪い取った。そんな表現がピッタリ当てはまるカミノタサハラの激走だった。序盤はやや縦長の展開のちょうど真ん中をキープ。エピファネイア、コディーノと人気2頭を前に見ながら追走した。3角手前で真っ先に動いたのが内田タサハラ。手綱をグッと押し込み、4角では外から先頭集団に並びかけたが、反応が鈍い。直線入り口では、先に抜け出したエピファに5馬身ほど突き放された。

 万事休すと思われたが、タサハラのエンジンが本当に噴射したのは直線坂下から。左ステッキを連打し、右手で力の限り手綱をしごくと、再び力強く加速。前で叩き合うエピファ、ミヤジタイガ、コディーノとの差を1完歩ごとに詰め、外から3頭まとめてねじ伏せたところがゴールだった。

 「レースでは初めて乗ったが、調教で乗っていたので力があるのは分かっていた。仕掛けのタイミングだけだと思っていた」。馬の能力を最大限に引き出した好騎乗だが、内田は淡々と、事もなげに振り返った。「最後の坂は、馬も歯を食いしばって頑張ってくれた。これだけのメンバーで勝てるのは力があるからこそ」。初コンビでも隠し持ったギアの存在に気付き、そのポテンシャルを信じた。大井から同じ道を歩んできた後輩・戸崎に、先輩の威厳を見せつけた。

 「理想通りの(レース)運びで、きっちり差し切った。馬の持ち味を出してくれたね」。国枝師は鞍上の好プレーに最敬礼。「パドックでは気持ちが高ぶっているように感じたが、スタートを決めてしっかり折り合っていた。ずいぶん競馬を覚えてきた」。入厩当初は“いいところのお坊ちゃん”という雰囲気でのんびりしていたタサハラだが「競馬を使っていくうちにピリッとしてきた」と、指揮官は成長一途の愛馬に目を細める。

 3世代目となる現3歳のディープインパクト産駒としては初の重賞V。父と同じ勝負服(金子真人オーナー)で、父が3冠へのステップとした弥生賞を勝ったのだから期待は高まる。「まだまだ良くなる馬だから、成長を邪魔しないよう厩舎でじっくりケアしたい」と国枝師。内田は皐月賞でコパノリチャードの先約があり、本番の鞍上は空白。「皐月のチケットは取ったけど、そっち(鞍上)の予約はこれから。オーナーと相談して考えるよ」。苦笑いの指揮官だが、その口ぶりには自信がみなぎっていた。

 ◆カミノタサハラ 父ディープインパクト 母クロウキャニオン(母の父フレンチデピュティ)牡3歳 美浦・国枝厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績4戦3勝 総獲得賞金7072万8000円。

 ◆馬名の由来 カミノタサハラ(Camino Tassajara)は米カリフォルニア州にある地域名。地図で見るとサンフランシスコ郊外の内陸部には同名の幹線道路が走り、途中で母名と同じ「クロウ・キャニオン・ロード」が合流する。その合流点から北へと延びるのが「ブラックホーク・ロード」。金子オーナーの遊び心が見てとれる。

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