【日経新春杯】ムスカテール12秒5 ビュイックでびゅ~っと伸びた

[ 2013年1月10日 06:00 ]

新パートナーのビュイックを背に追い切ったムスカテールはラスト12秒5を叩き出した

 急転出走も勝算ありだ。日経新春杯(13日、京都)の追い切りが9日、栗東トレセンで行われ、ムスカテールが新コンビを組むウィリアム・ビュイック(24=デンマーク国籍)を背に快走。動きの良さに友道康夫師(49)は急転、出走を決めた。先週から短期免許で騎乗する若武者の手綱さばきに注目だ。

【日経新春杯】

 若き名手のひと押しでグンと加速した。ムスカテールの最終追いはCWコースでビュイックが騎乗。ラストは外のスカイディグニティ(次週AJC杯出走予定)を1馬身突き放した。有馬記念5着馬を問題にせず、6F80秒2~1F12秒5と優秀。寒風に頬を赤らめたノルウェー出身、デンマーク国籍の24歳は「フォームが素晴らしい」と称えた。

 「これはいい馬だ。モタれると聞いていたが大丈夫。反応も凄くいい。スタートを決めて、グッドポジションを取れれば」。この日、初めて栗東トレセンで調教をつけたが「小さなニューマーケット(英の調教場)みたい」と気に入った様子。「日本の競馬場は観衆が多くてびっくり。人々の楽しみとしてしっかり定着している」。初騎乗の5日京都1Rで早々と白星。モチベーションはグッと上がっている。

 馬は昨年12月26日に帰厩。当初は東京・白富士S(26日)を予定していた。騎手の感触を確かめた友道師は、「使う方向で」と繰り上げ出走にゴーサイン。急転の参戦だが、指揮官は不安より楽しみの方が大きいようだ。「ちょっと右にモタれるので、そこだけをチェックしてもらった。正直、時間は短いが、牧場でもしっかり乗ってもらっていた。いい形で出られると思う」。モタれる面があって左回りが向くのは事実。それでも京都で勝ち鞍(鳴滝特別)もある。追い切り内容から判断すれば大きな問題はなさそうだ。

 ビュイックに関しては、「追ってしっかりしているし、外国人騎手特有の、いいポジションを取りにいける技術がある」と評価する。ハンデは前走・アルゼンチン共和国杯2着時から1キロ増。「何でかな」と師は苦笑したが「許容範囲」との見立て。急転の出走だが、勝機十分と陣営は踏んでいる。

 ◆ウィリアム・ビュイック 1988年7月22日、ノルウェー生まれの24歳。父・ウォルターは北欧の名騎手、母・マリアは馬術競技の選手というホースマンの血を受け継いだ。06年、見習騎手デビュー。10年ドバイシーマクラシックをダーレミとのコンビでブエナビスタを抑えて優勝。昨年はG1・8勝。123勝で英リーディング3位、獲得賞金1位。昨年のWSJS(10位)で初来日。

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