ルーラーシップ無念の引退…国内無冠、不完全燃焼のまま種牡馬入り

[ 2012年12月27日 06:00 ]

引退、種牡馬入りが決まったルーラーシップ。リスポリとのコンビで、今年の香港G1クイーンエリザベス2世Cを制した

 23日の有馬記念で出遅れが響いて3着に終わったルーラーシップ(牡5=角居)が26日、現役を引退し社台スタリオンステーション(北海道安平町)で種牡馬入りすることが決まった。通算20戦8勝、重賞勝ちは、ことし香港で行われたクイーンエリザベス2世カップ(G1)など5勝。総獲得賞金は6億3745万5300円(海外含む)だった。

 父がダービー馬キングカメハメハ、母がオークス馬エアグルーヴ。日本の誇る超良血馬ルーラーシップは香港でG1を制したものの、国内G1は無冠のまま引退することになった。

 角居師は「何とかしてG1を…と思ってやってきたんですが、国内では獲れなかったですね。非常に残念です」と無念さをにじませた。

 今年4月に香港でG1勝利を飾った後の3戦は出遅れが響いて不完全燃焼のレースが続いていた。そのため23日の有馬記念はトレーナー自らがゲート裏まで付き添うなどして克服に努めたが、それも実らず、ゲートで立ち上がって約10馬身の立ち遅れ。ゲート再審査も科された。この結果を受けて関係者が協議、引退、種牡馬入りが決定した。

 角居師は「(厩舎の同期馬)ヴィクトワールピサと同等、もしくはそれ以上の能力があるとずっと思っていました」と素質を高く評価。「たくさんの子供が出てくるでしょうから、必ず(G1を)獲ってくれると思っています」と産駒に悲願を託した。

 血統表にサンデーサイレンスが入らず、種牡馬としての期待は大きい。けい養先となる北海道安平町・社台スタリオンステーション事務局の徳武英介氏は「生まれたときから両親のいいところを受け継いでいて、ケチのつけようがない馬体でした。血統背景はもちろんですが、脂の乗り切っているこの時期に引退するのは僕らとしては喜ばしいですね」と歓迎した。

 同馬は現在ノーザンファーム天栄(福島)で放牧中。この発表を受けて近日中に社台SSにスタッドインするものとみられる。

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