【有馬記念】91年ダイユウサク「オレが一番ビックリしたよ」

[ 2012年12月18日 06:00 ]

熊沢とのコンビで大波乱の主役となったダイユウサク

 グランプリ史上最大の番狂わせと言っていいだろう。91年有馬記念を単勝137・9倍のブービー人気でレコード勝ちしたダイユウサク。担当助手は当時31歳、現調教師の平田修だった。

 「あの単勝オッズはありえへんと思ったよ。とにかく出来だけは生涯一、二やった。もちろん距離が明らかに長かったし、自信はなかったけどね」

 道中は後方待機。動きがあったのは4角手前、内からジワジワ進出する愛馬の姿に胸が高鳴った。

 「4角で8着はあるかなと思ったら、直線では5着もあるかもって…。そしたら先頭に立ったんだ」

 そして先頭でゴール。しかし高々と右手を突き上げた熊沢を見ても、まだ勝利が信じられなかった。

 「テレビでこれはビックリ、ダイユウサク!、って言ってたけど、オレが一番ビックリしたよ」

 ダイユウサクは98年から北海道浦河町の「うらかわ優駿ビレッジAERU」で功労馬として過ごしている。

 「毎年会ってるよ。あの馬は、体質の弱さからデビューが遅れて抹消寸前だったんだけど、自分の力ではい上がってきた。この馬のことは忘れたらあかんし、忘れられるはずもないよ」

 平田師の携帯メールアドレス。そこにはダイユウサクの馬名と2分30秒6の勝ち時計が記されている。

 ◆平田 修(ひらた・おさむ)60年(昭35)5月29日、京都府生まれの52歳。84年にトレセン入り。内藤繁厩舎での厩務員、調教助手をへて、森、橋口、石坂の各厩舎で腕を磨き、06年に開業。今年のNHKマイルCをカレンブラックヒルで制してG1初制覇。

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2012年12月18日のニュース