【香港スプリント】ロードカナロア 日本馬初の香港電撃王!

[ 2012年12月10日 06:00 ]

競馬の香港スプリントで優勝し、ロードカナロアと喜ぶ岩田康誠騎手

 香港国際競走が9日、シャティン競馬場で行われ、香港スプリントを今年のスプリンターズSの覇者ロードカナロア(安田)が岩田康誠(38)の手綱に導かれ、快勝した。同レースを日本馬が制したのは初めて。カレンチャン(同)はスタートの不利が響き7着。香港ヴァーズはジャガーメイル(堀)が2着。香港マイルのサダムパテック(西園)は6着、グランプリボス(矢作)は最下位12着に敗れた。

 ついに歴史を塗り替えた。それも文句なしの完勝だ。ゴールに飛び込んだ瞬間、岩田は左拳にキスをして空へと突き上げた。「勝つつもりで香港に来たので、それを証明できてよかった。この馬で通用しなければ日本のスプリンターは世界に通用しないという気持ちで臨んだ」。その言葉通りの横綱相撲だった。

 スタートを決めて好位で流れに乗る。3番手の外で4角を回ると、直線は鞍上の左ムチに応えてグイグイ伸びた。残り150メートルで先頭に立ち、最後は追いすがるライバルを逆に突き放して2馬身半差をつけた。

 地元勢の層が厚い香港スプリントは日本勢にとって鬼門だった。これまで延べ14頭が挑戦しながら昨年カレンチャンの5着が最高。異国での調整の難しさに加え、タフな馬場、出入りの激しい展開に戸惑う馬も少なくなかった。だが、カナロアには関係なかった。安田師は「このレースは世界一のレースだと思っている。勝つために来たが、現実になってうれしいし、夢のよう。日本の馬が世界のスプリントに通用することを証明できた」と感慨深げだ。

 9月末のスプリンターズSで僚馬のカレンチャンを下して世代交代を成し遂げた。まだ4歳。岩田は「スプリンターズSよりパワーも落ち着きも出てきた。このまま無事にいってくれれば、もっといいパフォーマンスができる。ドバイでもどこでも通用する」。師も「来年も参戦したい」と意欲満々。やっと世界に手が届いたが、これで終わりではない。カナロアが世界のスプリント界をけん引していく。

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